「ひきこもり」「うつ」を考える集い – 天理ファミリーネットワーク
「不登校」テーマに講演
「天理ファミリーネットワーク(TFN)」は6月26日午後、第1回「『ひきこもり』『うつ』を考える集い」をオンライン開催。当事者家族やおたすけに携わる人など31人が参加した。
同「集い」は、講義や意見交換を通じてさまざまなヒントを得るとともに、悩みを共有し支え合うことを目指すもの。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響から中止を余儀なくされたため、今回初めてオンライン形式で行われた。
当日、早樫一男・TFN代表(彌榮分教会彌生布教所長)のあいさつに続いて、臨床心理士の掛井一徳氏(かけい臨床心理相談室代表)が「不登校見守りの半歩先へ」をテーマに講演。昨年、コロナ禍による一斉休校の影響で急増した不登校の子供へのアプローチの仕方について話した。
その中で掛井氏は、不登校とひきこもりに共通するのは「安心できる場所を確保する手段として社会的撤退をし、傷ついた心を回復させている」ことだと指摘。その改善には、まず本人の心の回復を前提にする必要があると強調した。そのうえで、「感情の共有体験で育まれる『基本的自尊感情』と、褒められた経験などで得られる『社会的自尊感情』を高め、自身の存在を肯定できるようになることが改善につながる」と語った。
また、親のいきいきした姿を見ることで当事者は安心感を得るとして、「保護者自身がいま何をしたいのかを、ぜひ考えてもらいたい」と話した。
最後に掛井氏は「言葉にせずとも、当事者は保護者の目線を背中で感じているので、『この子なら大丈夫』と思う前提が大切になる。視線や言葉、行動で存在を肯定し、心の声に耳を澄ませて寄り添ってもらいたい」と述べて、講演を締めくくった。
なお、同「集い」は今後、9月と11月にオンライン形式で開催される予定。