おやのことば・おやのこころ(2021年7月25日号)
目に見える徳ほしいか、目に見えん徳ほしいか。
『稿本天理教教祖伝逸話篇』63「目に見えん徳」
七夕に合わせて、妻や子供たちと短冊に願い事をしたためました。織姫と彦星の伝説はよく知られますが、市街地の空に、主だった星や天の川を肉眼で見ることはかないません。
十数年前、南半球のオーストラリアを訪れた日の夜、満天の星々を見上げて思わず言葉を失いました。考えてみると、日本の上空にも星は無数にあるはずで、普段は街明かりが邪魔になっているだけです。確かにあるはずなのに目に見えない、あるいは見えづらい――そうした存在に気づく大切さを、オーストラリアの星空が教えてくれた気がしました。
「目に見える徳ほしいか、目に見えん徳ほしいか」
子供たちの短冊には「新しいおもちゃが欲しい」「飛行機に乗ってみたい」などと、幼子らしい素直な願望がつづられています。目に見えない徳積みの大切さも知ってほしいと考えていたところに、少年会本部が夏休みに合わせて「ひのきしんカード」を作成してくださいました。
これを応用し、ひのきしんに加えて「あいさつをする」「おつとめのときに大きな声で歌う」といった簡単なチェックシートを作り、就寝前に親子で一日を振り返りながら、カードにシールを貼ることにしました。始めて1週間ほどですが、いまのところ楽しげに取り組んでくれています。
「みんな仲良く元気に過ごせますように」。笹に掲げた願いが天に届くよう、日々の徳積みに家族ぐるみでいそしむ夏にしたいと思います。
(さ)