暮らし方を転換する第一歩 – 視点
ここ数年、「記録的大雨」「数十年に一度の大雨」といった言葉をニュースで頻繁に聞くようになった。数十年に一度の大雨により、毎年どこかで大雨特別警報が発出され、もはや常態化している。今夏も、大雨による被害で多くの人命や財産が失われた。大雨だけでなく、さまざまな気候変動の被害や影響は計り知れない。
以前から地球温暖化の進行とともに、大雨の増加や長期化、台風の強度化は指摘されていたが、対策が追いつかない速さで異常気象が頻発している。
気象研究所などは、温暖化が近年の日本の豪雨に与えた影響について評価している。たとえば、平成29年九州北部豪雨および同30年瀬戸内地域豪雨に相当する大雨の発生確率は、温暖化の影響がなかった場合と比較して、それぞれ約1.5倍および約3.3倍になっていたと発表された。
統計的に、温暖化が進むにつれて豪雨が増えることは明らかな事実だが、すべての豪雨が温暖化の影響で引き起こされたわけではない。あくまでも確率の問題であって、実際、温暖化が指摘されるはるか昔から、人々は豪雨や洪水で大きな被害に見舞われてきた。要は、その頻度が問題なのだ。数十年に一度だった豪雨が毎年、各地で頻発する原因は温暖化にあり、その温暖化の主たる原因は人間の諸活動による。いわば、人間が長年積み重ねてきた心の働きとその営みの総和が、地球規模の温暖化を引き起こしたといっても過言ではないだろう。
現代の最新土木・治水技術や高度なシミュレーション予測をもってしても、想定を超える大きな被害は防ぎようがない。神の懐住まいをする私たちは、自然の恵みをはじめ、膨大なエネルギーや資源をふんだんに使い、豊かな生活を享受している。そうした暮らし方を改め、大きく転換していく第一歩は、まず私たち一人ひとりの日々の心づかいを見直すことから始まるのではないか。いま一度、親神様のご守護と天の与えに感謝し、慎み深く、皆でたすけ合って生きることを常に意識したい。
(早渕)