創部初の快挙全中団体戦準V – 天理中柔道部男子
天理中学校柔道部男子は、8月22日から前橋市のALSOKぐんまアリーナで行われた「全国中学校柔道大会」に出場。団体・個人の4階級に出場し、団体戦、個人戦で準優勝に輝いた。全中大会での団体戦準優勝は創部初の快挙となった。
一昨年の前回大会では、予選ブロックで敗退した同部。その後の練習では、走り込みなどで基礎体力を強化したほか、組み手で重要な「引く力」を鍛えるため、ロープ登りや懸垂の練習を重点的に取り入れた。
一方、新型コロナウイルス感染拡大の影響で他校との練習試合を組むことができなかった。例年に比べて試合経験が不足するなか、今大会を前に福田敬士監督(31歳)は「“天理柔道”を信じて、畳の上で練習の成果を出しきろう」と伝え、選手たちを送り出した。
天理中は予選ブロックを2戦全勝し、決勝トーナメントへ進出。トーナメント初戦と続く準々決勝では、大将の瀬川賢豪主将(3年)の技が光り、2‐1の僅差で勝ち進んだ。
準決勝は、先鋒の森俊士選手(同)の健闘で流れをつかみ、3‐0で勝利。創部初の決勝進出を決めた。
決勝の相手は、強豪・国士舘中学校。先鋒の森選手、副将の邊方寿希選手(同)が引き分けに持ち込んだものの、0‐3で敗れ、準優勝となった。
福田監督は「選手たちが試合の中で、どんどん成長していくのを肌身に感じた。ここまで努力してきた選手を称えたい」と話した。
個人戦でも準優勝 – 瀬川賢豪主将
個人戦では、瀬川主将が90キロ超級に出場し、準優勝した。
瀬川主将は、オリンピック柔道3連覇の偉業をなし遂げた野村忠宏さんが育った道場「豊徳館野村柔道場」(奈良県広陵町)で3歳から柔道を始めた。父・泰寛さんも柔道経験者で、天理中時代には全中大会で3位入賞。その後も天理高校と天理大学の柔道部に進んで鍛錬した。
そんな父の中学時代の記録を「越えたい」と、気合を入れて大会に臨んだ瀬川主将は、2回戦から出場。初戦を得意技の「大外刈」で一本勝ちを収めると、その後も豊富な技を繰り出しながら、トーナメントを「一本」で勝ち上がっていく。
迎えた決勝戦。瀬川主将が果敢に攻めるも技は決まらず、延長戦へ。延長1分、相手選手の「裏投」が決まり、惜しくも準優勝となった。
瀬川主将は「悔しかったけれど、練習の成果をすべて出しきれたと思う。卒業後は、天理高校で柔道を続けたい。来年は、今年の団体戦と個人戦の記録を塗り替えられるように、後輩たちの頑張りに期待したい」と語った。