おやのことば・おやのこころ(2021年10月6日)
子供の方から力を入れて来たら、親も力を入れてやらにゃならん。これが天理や。
『稿本天理教教祖伝逸話篇』75「これが天理や」
生後8カ月の長男と妊娠初期の妻を三重県に残し、「布教の家」北海道寮へ入ったときのことです。
入寮から1カ月経ったころ、妻から衝撃的な電話がありました。「お腹の子供に気になる点があり、障害をもって生まれてくる可能性が高い。どうするか夫婦で相談するように」と医師から告げられたとのことでした。親神様が一番喜んでくださるにをいがけ・おたすけに明け暮れるなか、これまでにない試練に目の前が真っ白になりました。夫婦で相談を重ねたうえで、そのまま出産に臨むことにしました。
私自身、家族を残し、ならん中を布教に出たことで、どこかにおごった気持ちがあったことを深く反省しました。それからというもの、一日でも手を抜いたら子供の身に関わると思い、一心不乱に毎日にをいがけに歩かせていただきました。
迎えた11月、心配された様子はどこにもなく、元気な次男が誕生しました。その姿もさることながら、一番ありがたく感じたことは、親神様が、この旬に、かつてない厳しい課題を下さったことです。そのおかげで、まさに全力疾走でつとめに励み、悔いのない1年を過ごすことができました。
親神様は一生懸命つとめれば、さらに成人させようと課題を下さいます。これこそ親神様に可愛がっていただいているさまであり、親心といえましょう。現在、北海道の大学へ通う次男を見るにつけ、奇しくもそのありがたい親心が思い出されます。
(な)