「還暦土俵入り」披露 – 第63代横綱 旭富士 伊勢ヶ濱親方
63代横綱旭富士の伊勢ヶ濱親方(61歳・明愛分教会ようぼく)は3日、東京・両国国技館で史上11人目となる「還暦土俵入り」(文末コラム参照)を行った。太刀持ちと露払いには、弟子である元横綱日馬富士のダワーニャム・ビャンバドルジ氏(37歳・同)と元関脇安美錦の安治川親方(43歳・同)を従え、特別な赤い綱を締めて、不知火型の土俵入りを披露した。
昭和63年1月、横綱千代の富士を破って幕内初優勝を果たし、平成2年の九月場所後、第63代横綱に昇進。翌3年の五月場所で幕内優勝するなど活躍し、4年に現役引退。生涯戦績575勝324敗、優勝は4度を数えた。
同年、安治川部屋を継承。同部屋は三月場所の際に明愛分教会(森田忠明会長・大阪市東成区)を宿舎にしていたことから、部屋の力士らと共に毎年、本部神殿で参拝して別席を運び、19年、おさづけの理を拝戴した。
同年、年寄「伊勢ヶ濱」を襲名し、伊勢ヶ濱部屋へと改称。同部屋からは日馬富士、照ノ富士の二人の横綱を筆頭に、数々の名力士を輩出している。
ようぼく3氏で土俵へ
昨年5月に還暦土俵入りを予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期に。その間も「みすぼらしい体は見せられない」と、トレーニングを続けてきたという。
当日は、弟子二人と共に、ようぼく3氏で土俵へ。自身の横綱時代と同じく不知火型の土俵入りに臨み、四股を踏んだ後、両手を左右に大きく開きながら豪快にせり上がると、客席から盛大な拍手が送られた。
土俵入りに先立ち、あいさつした伊勢ヶ濱親方は「この土俵入りを新たなスタートとして、強い力士、関取を育成していけるよう、これからも相撲道に邁進していく」と決意を述べた。
伊勢ヶ濱親方は、本紙の取材に対して「真柱様をはじめ、教友の皆さまに応援していただき、それを糧に、これまで相撲に励むことができた。少しでも強くなるよう部屋の力士たち、ともどもに精進していくので、これからの伊勢ヶ濱部屋に大いにご期待いただきたい」と語った。
URLから、過去に伊勢ヶ濱親方を取り上げた『天理時報』と『すきっと』の記事をご覧いただけます。
https://doyusha.jp/jiho-plus/pdf/20211020_oyakata.pdf
コラム
還暦土俵入り
現役時代の最高位が横綱の元力士が、60歳(還暦)を迎えた際に、長寿の祝いとして行われる特別な横綱土俵入り。特別に作られた赤い綱を使用する。