18年ぶりベスト4 強固な守備で奮闘 – 天理高ラグビー部
天理高校ラグビー部は、昨年12月27日から東大阪市の花園ラグビー場を会場に行われた「全国高校ラグビー大会」に4年ぶり64回目の出場。準決勝で報徳学園高校(兵庫)に12‐26で敗れたが、強固な守備で奮闘し、18年ぶりとなるベスト4入りの好成績を残した。
チームの中心選手である太安善明主将(3年)は、選手とスタッフによる投票で、満場一致でキャプテンに選出。プレーはもとより、「一人だけ大人がいる」と評されるほどの責任感の強さでチームを引っ張ってきた。
また昨年4月、「ジャパンラグビーリーグワン」でプレーした経験を持つ同部OBの王子拓也教諭(27歳)が新たにコーチに加わった。
今季、チーム改革を図る中で「選手主導」を掲げた松隈孝照監督(50歳)。王子コーチの助言をもとに、主将とチームリーダーたちが練習メニューを考え、試合中の判断力や修正力を向上させてきた。
逆転で接戦制し準決勝へ
元日の3回戦で、天理高は石見智翠館高校(島根)と対戦。先制を許したものの、前半終了間際に同点に追いつく。その後は守備の時間が続くなか、後半23分に天理高がトライを挙げ、15‐8で勝利した。
続く長崎北陽台高校との準々決勝でも先制トライを許したが、前半26分にペナルティーゴールを決め、3‐5と追い上げる。
後半12分、相手陣地でのラックから右へ展開し、最後は1年生WTBの内田旬選手が値千金の逆転トライ。その後のロスタイムに、相手校の17度にも及ぶ猛攻をしのぎ、8‐5で勝ちきった。
準決勝で戦う報徳学園高は、高い攻撃力を有する優勝候補の一角。序盤から天理高フォワード陣が持ち前の粘り強さで相手の攻撃を止めていく。しかし、16分と前半終了間際にトライを許し、0‐12で折り返す。
選手たちは「フォワード陣が積極的にボールを取りにいこう。焦らず自信をもって、ミスを全員でフォローしよう」と声をかけ合い、後半戦へ臨んだ。
後半11分、ゴール前7メートルラインアウトからモールをつくってゴール前まで押し込むと、松沢和輝選手(3年)が待望のトライを決め、7‐12と追い上げる。
しかし、その後は相手の猛攻に押され、点差を離されていく。ロスタイムに執念のトライを挙げるも、追い上げ及ばず、12‐26で敗れた。
松隈監督は「新しい道を模索しながら県大会を勝ち抜き、ここまで来た。新たな歴史の一歩を踏み出したと思う。太安主将に、3年生がしっかりついていったからこその結果だと思う」と話した。
太安主将は「ベスト4まで来られてうれしい。でも、自分たちの強味を出しきれなかったので悔しい気持ちもある。今後も選手が自主的に考えるチームづくりを続け、優勝をつかんでほしい」と語った。
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なお、準決勝当日は天理駅南団体待合所でパブリックビューイングが実施された。