“翻訳力”を培う学び – 視点
2026・3/25号を見る
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教祖140年祭が執行された翌日、筆者は国際交流基金が主催した国際招聘事業の中で、ASEAN諸国の次世代の宗教リーダーたちを前に、天理教の里親活動とその信仰的意味について英語で話す機会があった。天理教のこれまでの地道な取り組みは、海外の若い宗教者たちだけでなく、主催者の国際交流基金の担当者たちからも高く評価された。
会議の後、担当者たちから「天理図書館でお世話になった」「メキシコの赴任先で天理教の方にお世話になった」といった声を聞いた。今回の発表も、「天理教は地に足のついた活動をされているから」という事業アドバイザーの推薦によるものであったという。これらの声は、陽気ぐらし世界の建設へ向けて、道の先人たちが積み重ねてきた信仰の歩みの一端を示している。
年度末を迎えている日本では、卒業や進学、さらには進級や入学準備など、新しい年度に向けた準備で慌ただしい。おぢばでは「学生生徒修養会・大学の部」が開催され、「教祖140年祭 学生おぢばがえり大会」も目前に迫っている。また、少年会行事などを通して、子弟子女の新たな門出を祝う機会もある。
学年や学校に応じて学ぶ内容は異なるが、道の子弟子女には、年度の切り替えに当たって、教えに基づきながら学びの意味を伝えていきたい。「元の理」では、人間は6000年かけて知恵の仕込みを、3999年かけて文字の仕込みを受けたとされる。信仰に照らせば、学問の本質とは親神様のご守護を理解する求道の営みである。学びのすべては陽気ぐらし世界へつながっているはずだ。
筆者の発表では、天理教学と宗教学という学問的視座から、里親活動の信仰的意味を説明したことが、聴衆の深い理解を手助けしたようだ。文化や言語、価値観の違いはあるが、だめの教えは必ず伝わる。しかし違いが存在する以上、相手との間を埋めていく“翻訳力”求められる。道の子弟子女は、道を世界へ伝えていくための“翻訳力”を、それぞれの学びの中で培っているともいえよう。
子弟子女たちが、自らの学びと陽気ぐらしへの道とのつながりを見つめる機会を持つとき、学びの意味はさらに深まっていく。若人たちの輝かしい門出を心から祝いたい。
(澤井)






