天理いきいき通信2024年3月号1面 2024年3月1日 この記事を読むにはJavaScriptを有効にする必要があります。ブラウザの設定からJavaScriptを有効にしてください。 JavaScriptを有効にする方法を確認する 【生きる美しさをその身に湛えて】暖冬のせいか、今年は例年に比べて桜の蕾が早く膨らんでいる気がします。もうすぐ列島に線を描くように、一斉に北に向かって咲き進みます。日中も咲いているのに、わざわざ夜にも観賞する花といえば、桜くらいしか思い浮かびません。明るく咲き誇る昼の姿と違って、夜は別の花のごとく、妖艶な趣があるから不思議です。「花は桜木、人は武士」。日本人は、その表情豊かな咲き方に人生を投影してきました。忠臣蔵の、浅野内匠頭の切腹シーンでも、散りゆく桜が場面に花を添えます。守るべき尊厳と残された者へ託す思いを象徴するかのように、桜ははらはらと散ります。出会いと別れ。喜びと悲しみ。ちょうど年度替わりの時季に訪れるさまざまなシーンを、桜の花は毎年見守ってきました。子供の成長の節目を喜ぶ家族の肩にも、逆境にもめげず歯を食いしばって頑張っている人々の肩にも、桜の花びらは言わず語らず舞い降りることでしょう。生きる美しさを、その身に湛えながら。Cha