天理時報2022年6月22日号6面
【二度とすまい – よろずの美の葉】私は幼少時から睡眠時間が長く、成長後も徹夜で何かする事が皆無だった。それが先日、どうしても翌朝までに終わらせねばならぬ仕事があり、40代にして初徹夜を経験した。翌日の夜は寝返りも打たずに眠ったが、普段の元気を取り戻すには時間がかかり、二度とこんな真似はすまいと心に誓った。夜通しの仕事とは現代社会に限った話ではなく、忙しい人間には普遍的な行為だったらしい。たとえば、あの『源氏物語』の数十年前に描かれたと考えられている『落窪物語』は、継母にいじめられる姫君を主人公とする物語。裁縫の上手だった主人公は継母から様々な衣服を縫えと命じられ、夜も寝ずに縫物を続けたと記されている。ちなみに平安時代は生活が夜型に移行していた時代で、貴族たちの執務時間はそれまでの午前から夕方や夜へとずれ込んでいた。それに合わせて儀式類も深夜まで続くものが増加していたが、中でも頻繁に行われたのが庚申会なる行事。これは中国の道教に由来があり、その教えによれば、人間の体には三尸なる3匹の虫がいて、常に宿主の行動を見張っている。そして庚申の晩に宿主が寝ると、その体から抜け出し、神さまに宿主が犯した罪過を報告する。それゆえ庚申の夜には三尸が告げ口をしないよう、身を慎んで静かに夜明かしをするというもの。ただ日本の貴族社会ではなぜか「静かに」の部分が取り払われ、歌合や双六といった遊び事をし、酒を飲んで賑やかに徹夜をしたらしい。『落窪物語』よりもさらに古い時代に記された『宇津保物語』には、後宮における庚申会のシーンが記されており、金銀で拵えた調度品で部屋を飾り立て、数々のご馳走や酒を取り寄せ、美しい紙や衣装が賭け碁の賞品や贈り物として用意されるきらびやかさである。物語という性質を考えれば、少々割り引いて読む必要はあるが、それでも当時の貴族がどんなに華やかに夜明かしをしていたかが垣間見える。とはいえ、その夜明かしはただ楽しいばかりではなく、平安時代には天皇の住まいである内裏や貴族の屋敷が頻繁に火事を出している。電気のないこの時代、夜中まで遊び続けようとすれば当然そこには灯火を点さねばならず、必然的に火災も増えたわけだ。それに比べれば現代の徹夜ははるかに安全だが、それでも寝不足からうっかり怪我をしたり事故に巻き込まれたりする恐れとてある。ならば徹夜はなるべく避けるべき行為となるが、さて私はいつ次の徹夜に挑むことになるだろうか。作家 澤田 瞳子, 【折々に思召をたずねて通る – 修養科の四季】第963期 川邊美智子さん 34歳・天理市・和海分教会所属5年前、長女を出産。4年前には流産を経験しました。その後すぐに身ごもり、次女を出産しました。この経験から、何事もなく出産できることが当たり前ではないこと、そして子供たちと過ごす日々が、かけがえのないものであることを実感しました。しかし一方で、思い通りにならない子育ての日々を送るうちに、子供に対して、つい感情をぶつけてしまうなど、自分自身を情けなく思うことも多々ありました。そんななか、長女の幼稚園の入園を機に所属教会の会長に勧められ、修養科を志願しました。本部浴場では、利用者に心地よく入浴してもらえるよう丹精込めて清掃する”低い心”を意識して子連れで臨んだ修養生活は、ようぼくとしての心の使い方を学び直すとともに、あらためて子供と真正面から向き合う日々となりました。そんななか、2カ月目に入ったある日のこと。正座した状態の膝の上で、頻繁に子供が暴れていた影響からか、右足のくるぶしから足の甲までひどく浮腫んだことがありました。そのとき、日ごろの授業で学んだことを振り返りながら、親神様は何をお伝えになっているのかを思案してみると、あることに思い当たりました。それは、周りの人から子供のことで注意をされたとき、「子供なのだから仕方ないでしょ」と、心の中で言い訳をしていたことです。良かれと思って注意してくださった人たちの気持ちを考えず、不足していた自身の心の使い方を反省するとともに、もう一度よく思案してみると、「親神様は、周囲の人を通して私に一層成人するよう促してくださり、さらに私が気づけるようにと、身上にしるしをつけてお知らせくださったのでは」と思えました。そこで、これまでの心づかいを改め、”低い心”で通ることを心に定めました。また、教養掛の先生の勧めで、詰所の玄関で靴磨きのひのきしんをすることに。毎日喜んでつとめることを心に定め、ひのきしんを始めて2日目、足の浮腫を鮮やかにご守護いただきました。その後も低い心で通り、詰所でのひのきしんを続けたことで、毎日を心明るく過ごせるようになり、修了するころには、気になっていた周りの人からの子供についての注意も、ありがたく感じられるようになりました。これからも、折々にお見せいただくことに親神様の思召をたずねて通ることを指針として、まずは、身近な人たちに喜んでもらえるような通り方を心がけていきたいと思います。◇現在は、以前勤めていた天理医療大学の臨床検査学科の教員として仕事をしています。出勤前には子供2人と共に、本部神殿で参拝し、修養科での日々を思い出すことができるので、とてもありがたく感じています。, 【6月本部月次祭交通情報は天理教HPへ – 輸送部】6月本部月次祭の交通規制、駐車場案内、臨時列車(近鉄・阪神、JR)等の最新の情報は、天理教ホームページ内の「交通情報」でご確認ください。https : //www.tenrikyo.or.jp/yoboku/traffic_information/