天理時報2022年1月26日号8面
[天理スポーツ]s「天皇杯」レスリング82㌔級準優勝教校学園高レスリング部コーチ田中真男選手天理教校学園高校レスリング部コーチの田中真男選手(23歳・湯浅分教会ようぼく)は、昨年末に東京・駒沢体育館で行われた「『天皇杯』令和3年度全日本レスリング選手権大会」に出場。男子グレコローマンスタイル82㌔級で準優勝した。中学まで柔道に打ち込んでいた田中選手。二人の兄が親里でレスリングをしていたことから、その背中を追うように教校学園高へ進み、レスリング部に入った。腕が長く、柔軟性に優れる田中選手は、すぐに頭角を現した。1年生のとき「JOC杯ジュニアオリンピックカップ全日本ジュニア選手権」に出場。インターハイではベスト8の好成績を残し、日本代表として海外遠征に参加した。その後、日本体育大学から声がかかり、五輪メダリストが多く輩出しているレスリングの名門へ進んだ。チームメートは学年のトップ選手ばかり。「最初は周りの選手に全く勝てなかった。監督から『とにかく食らいついていけ』と言われ、毎日必死だった」と振り返る。黙々とハードな練習をこなし続けるなか、「たとえ泥臭い戦いになったとしても、勝ちにこだわることの重要性を学んだ」と話す。こうした努力が実を結び、1年時から日本レスリング協会の強化選手に選ばれて合宿に参加。「反り投げ」など投げ技のバリエーションを増やしていった。在学中「全日本学生選手権」と「全日本選抜選手権」で3位入賞するなど大舞台を経験した。さらに、同大の先輩である東京2020オリンピックのレスリング男子グレコローマンスタイル77㌔級銅メダリストの屋比久翔平選手の練習パートナーに抜擢され、国際大会などに同行した。「世界トップ層の戦いを間近に見ることができて、良い刺激になった」という。伏せ込みながら挑戦続け今年度から教会本部営繕部に勤務している田中選手。おぢばに伏せ込みながら現役選手として練習する傍ら、教校学園高レスリング部のコーチとして後輩を指導する。「指導の難しさを感じる日々だが、これまでとは異なる角度からレスリングを見つめ直す機会にもなっている」と語る。一方で、自身の練習が週1、2回に限られるなか、「自宅で基礎トレーニングを積み、衰えないように努めている」。天皇杯には、過去3度挑戦し、最高順位は5位。「大学を卒業して、ある意味で背負うものがなくなり、これまでよりも思いきりよく大会に臨むことができた」と話す。初戦は2度の「リフト」(相手選手を持ち上げる技)を決めて10-0の完勝。続く準決勝も、5-3で勝ち上がった。自身初の決勝戦の相手は、全日本選抜選手権などで優勝経験がある岡嶋勇也選手(警視庁)。序盤からリードを許した田中選手は、一矢報いようと必死に食らいつくものの0-8で敗れ、準優勝となった。田中選手は「やっと決勝へ進むことができ、入賞したことがとてもうれしかった。一方で課題も見つかったので、調整に励みたい」と話している。教校学園高レスリング部でコーチをしながら、現役を続けている文芸連載小說ふたり【第2部】波のきらめきに作/片山恭一画/リン第2話たまらなく好きな情景男は名前を保苅という。海に落ちたカンを連れて、ずぶ濡れの姿でトトとハハの前に現れた青年である。あれから十年がが経ち、彼もまた立派な大人になった。保保苅青年を省吾さんのところに連れていったのはトトだった。青年は省吾さんの家に住み込んで、しばらくのあいだ農場で働くことになった。最初は豚の世話と畑の管理が主な仕事だった。そのころから省吾さんのところの豚は評判が良く、おいしい食肉を売りたいというバイヤーが何人も付いていた。食肉処理場でブロック状の精肉にしたものを、宅配便で送るのは保苅青年の仕事になった。もう一つ、農場の売り物は有機農法で育てているブロッコリーである。これを粉にして青汁とかいう健康食品としてオンラインショップで販売する。けっこう需要があり、貴重な収入源になっているらしい。そのほかに自給用の野菜を少し作っていたが、いずれもイノシシの被害に遭わないように網で囲いをする必要がある。こうした作業も保苅青年に任された。「本当は水田をやりたいんだ」。いつか省吾さんはトトに話したことがある。「もともと水田だったところだからな。二一人で米作りは無理だから畑や休耕地にしているが、こいつがもう少し仕事をおぼえたら、考えてみようかね」若い働き手を得て、水田は省吾さんの望みどおりわずかながらも復活した。畑も少しずつ広げて、ブロッコリーのほかにもいろんな野菜を育てるようになった。これらの仕事は保苅青年がほとんど一人でこなしている。おかげで省吾さんは豚の飼育頭数を増やすことができた。農場の運営は軌道に乗り、三年ほど前には保苅青年のところにお嫁さんがやって来た。名前をのぶ代さんという。大学で児童心理学というものを学んだそうで、いまは農場の仕事を手伝いながら、「えほんの郷」を作ろうと準備を進めている。「子どもの時間を失った子どもたちに、ここで人間らしい心を育んでも「らうの」というのが彼女の計画だ。やがて二人人ののああいいだに男の子が生まれ、新新太太とと名名付けられた。彼がなぜかカンンにに懐いて、やって来るのを心待ちにしている。カンは自分の店で使う野菜を仕入れるために、ほとんど毎日のように農場へ足を運ぶ。農場を訪れた者を、まず出迎えるのは茶色の雑種犬だ。わたしがトトと一緒に訪れたときには態度の悪い若造だったが、いまでは十年分きっちり歳をとって、そろそろ老犬の域に足を踏み入れようとしている。達者そうなのはなによりだ。つづいて新太がおぼつかない足取りで走り寄ってくる。そして勢いよくカンの胸に飛び込む。両腕で高々と持ち上げると、子どもはからからと声をたてて笑う。その情景がわたしはたまらなく好きなのだ。「ふたり」第1部のバックナンバーを道友社HPで公開中。登場人物の相関図や作者のプロフィールも閲覧するこことができます。下記QRコードかららアクセスしてください。