漢字とパソコン – 世相の奥
このごろ、漢字が書けなくなったという声を、中高年のかたがたから、よく聞く。読めはする。しかし、書こうとしても、字の形が想いだせない。あるいは、筆順がわからなくなっているという人に、よくであう。 なぜ、・・・
このごろ、漢字が書けなくなったという声を、中高年のかたがたから、よく聞く。読めはする。しかし、書こうとしても、字の形が想いだせない。あるいは、筆順がわからなくなっているという人に、よくであう。 なぜ、・・・
新型コロナとよばれた感染症への恐怖は、ずいぶん弱まった。もちろん、まだ発病する人は少なくない。しかし、ひところとくらべれば、われわれのおびえは、よほど小さくなっている。 気がつけば、私の職場でもオフィ・・・
私は京都の西郊、嵯峨野でそだった。渡月橋の北側で、歩くと十数分ほどのところである。今は人家が密集している。だが、私のおさなかったころは田畑のひろがる農地であった。1960年代のはじめごろまでは。 あた・・・
日本人は、ねむる力が弱いという。国際的にくらべれば、睡眠時間は短いほうだと、言われている。この点については、統計的な各国比較のデータも、見せてもらったことがある。たしかに、世界の中では、夜ふかしがすぎ・・・
海外できみょうな日本料理を見かけ、あきれたことがある。こんなものは、もう和食じゃない。下手物だ。たとえば、トウフでチャーハンをつつむ「イナリズシ」などを食べて、そう思う。 おりめただしい日本食を、ちゃ・・・
見ることができる状態を、しばしばわれわれは「見られる」と表現する。来ることができる様子も、「来られる」と言いあらわす場合がある。「られる」は可能性をしめす助動詞である。あるいは、助動詞「らる」の口語形・・・
昔からある組織の、古い記録を知りたくなることがある。さぐると、よくガリ版ずりの書類にでくわす。かつては、コピーがゆきわたっていなかった。だから、謄写版の原理で、多くの書類は印刷されていたのである。 謄・・・
とにかく明るい安村、という芸人がいる。 ステージには、極小の下着だけをはいて、水着かもしれないが、登場する。身体をくねらせると、それが見えなくなる。少したるんだ腹にかくれ、全裸であるかのような印象をた・・・
毎年、花粉症になやまされてきた。今年も、新年そうそう鼻がぐずつきだしている。例年より、スギ花粉などの飛散がはやくなっているらしい。なんぎな話である。 私は十歳になる前ごろから、この症状をかかえてきた。・・・
平安時代の公家、貴族と聞いて、多くの人はどういう人柄を想いうかべるだろうか。たぶん、歌や踊りに熱中する男たちの姿が、脳裏をよぎるだろう。あるいは、色恋沙汰にあけくれるプレイボーイのことなどが。 こうい・・・
阪神タイガースが優勝した。セ・リーグのペナントレースのみならず、日本シリーズも勝ちきっている。38年ぶりの快挙である。私もふくめ、ファンには待望の一瞬だったと言うしかない。 テレビの画面は、歓喜にわく・・・
このごろ、私は髪をそめなくなった。今は、まったくの白髪である。それを、気にとめてくださるかたもいる。お仕事、たいへんそうですね、と。ご心配にはおよびません。私は若いころから白髪気味でした。黒ぬりをやめ・・・
もう、何年前のことになるだろう。夏の終わりごろに、私は阪神甲子園球場へおもむいた。野球観戦のためである。すわったのは、外野のライトスタンドであった。 この座席を聞いただけで、野球好きにはピンとくるだろ・・・
私は子どものころ、はしかにかかったことがある。三日ばしかとよばれる軽いものに一度、そして本格的なそれにも感染した。しかし、まわりからそれほど心配された記憶はない。だれでも、とりわけ子どもがよくおちいる・・・
自分以外の誰かがあらわしたものを、勝手に流用することは、いっぱんにゆるされない。盗作として、きびしくとがめられる。とりわけ、美術や音楽、また文芸などの世界では、指弾されてきた。 学界でも、事情はかわら・・・
3月のWBCでは、野球の国別対抗戦だが、日本代表チームが優勝した。いわゆる侍ジャパンが日本に、一位の栄冠をもたらしている。旧聞にぞくする話題でもうしわけないが、あれをもういちどふりかえりたい。 全日本・・・
新型コロナとよばれる感染症が、猛威をふるってきた。ここしばらく、われわれは身をすくませながらくらしてきたものである。だが、もう過度な用心はしなくてもよいらしい。こんどの感染症も、通常のそれと同じ扱いを・・・
井上章一・国際日本文化研究センター所長 地球にやさしくなろう。そんな掛け声が、世界中でとなえられている。脱炭素、SDGsという標語も、よく耳にする。ガソリンを燃料とする自動車は、とおからず姿をけしそう・・・