「ひきこもり」「うつ」を考える集い – 寄り添うことを第一歩に
「天理ファミリーネットワーク(TFN)」は11月26日午後、今年3回目となる「『ひきこもり』『うつ』を考える集い」をオンラインで開催。ひきこもりやうつを抱える当事者の家族や、おたすけに携わる人など25人が参加した。
この集いは、講義や交流会を通じて、お道を信仰する者同士で学び、支え合うことを目的に実施されているもの。前回に続き、今回もオンライン形式で行われた。
当日、早樫一男・TFN代表(彌榮分教会彌生布教所長)のあいさつに続いて、公認心理師の末代咲恵氏(天勇分教会ようぼく)が、「精神保健福祉センターの役割と相談窓口から学ぶこと」をテーマに講演した。
末代氏は冒頭、自身が勤務する精神保健福祉センターでの業務内容を説明したうえで、ひきこもりの当事者やその家族との向き合い方について話を進めた。
その中で、当事者は孤独を感じると同時に、人と関わりを持つことに緊張や恐怖を感じることが多いと指摘。軽い事務作業や畑作業などを共に行うことで、当事者が自発的に交流を持つようになるとして、ひきこもり支援の進め方について詳しく説明した。
また、「当事者の年齢や性別、心理状態に応じて、段階的な支援も必要になる」と前置きしたうえで、「どんな意思も尊重し、当事者にとって安心・安全な場を提供することが重要」と語った。
最後に末代氏は、当事者の相談を受けるときや支援するときには、目先の着地点を見つけようとするのではなく、まずはその人に寄り添うことが第一歩になると強調。「答えが見えない曖昧な時間を一緒に歩んでいくことが大切」と述べて、講演を締めくくった。
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講演後には、チャット機能を用いた質疑応答の時間が持たれ、参加者の悩みや質問に、末代氏がアドバイスした。