WBCの歓喜に思う – 視点
日本時間3月22日、「WBC(ワールドベースボールクラシック)」の決勝戦がアメリカで行われ、日本代表チームが7戦全勝で3度目の優勝を果たした。直近2大会は決勝へ進めず、14年ぶりの栄冠となった。
野球の発祥には諸説あるが、有力なのは、フランスで始まったスポーツ(ラ・シュール)がイギリスへ渡り“野球の原型”が生まれ、移民によってアメリカへ伝えられて今日の「ベースボール」となったというもの。国際的にはサッカーやバスケットボール、バレーボールなどに比べると競技人口が少なく、この競技が人気な国や地域は限られている。
2006年、アメリカ(およびカナダのチームで構成されている)メジャーリーグ機構とその選手会は、世界的な市場拡大を目指してWBCを開始した。そのアメリカが、前回に続く連覇を期してメジャーリーグの一流選手をメンバーに選び、今大会に臨んだ。決勝は日米決戦となり、最後は1点差で“世界の二刀流”大谷翔平投手と、大谷選手とチームメートであり、アメリカ代表チームの主将であり、メジャーリーグ現役最高選手のマイク・トラウト選手との対決に。結果は、周知の通り映画や漫画の世界さながらの劇的な幕切れだった。
日本ではテレビ中継の視聴率が全7試合とも軒並み40%を超えた。中継を見た多くの人々が、日本チームや各国チームの「諦めない心」「互いに支え合う姿勢」「相手を認め合う姿」などに気づきと勇気を得たのではないか。
日本代表の栗山英樹監督が、帰国後のニュース番組で「野球の神様が」と何度も口にする映像を見て、ふと思った。果たして親神様・教祖は、このWBCをどのようにご覧になったのだろうか。
「せかいぢういちれつわみなきよたいや」(おふでさき十三号43)とお教えくださるように、チーム内で支え合い、人種を超えて互いに認め合い、それを見た人が心を動かされたことを、きっとお喜びくださっていると思う。
これは、野球の世界だけで終わってはいけない。私たちは毎日の生活の中で、支え合い認め合うことを実践することはもとより、教えに基づき、一れつきょうだいの真実を伝えていきたい。
(松村登)