天理時報オンライン

一日一日の歩みを大切に「つなぐ」努力を重ねたい


紙面レイアウト
2023・1月号を見る

岩﨑広之(豊多摩分教会長・53歳 東京都中野区)

三年千日活動の心定めの土台を求めて、「諭達第四号」をじっくりと拝読しました。特に印象に残ったのは「人々が互いに立て合いたすけ合う、陽気ぐらしの生き方」「親神様は真実の心を受け取って、自由の御守護をお見せ下される」「親から子、子から孫へと引き継いでいく」とのお言葉です。また、諭達ご発布の前、当教会秋季大祭での大教会長のお話から、「私たちの役目は、『つなぐ』努力をすることにある」との気づきを得ました。

諭達のお言葉と、その気づきを考え合わせて思案を重ねるうちに、三年千日の心定めの大枠がまとまりました。「おつとめを通して親神様・教祖のお働きのありがたさを身に感じながら、たすけ心を軸として、必ずや教えを次代へとつなげていく」との思いです。

振り返ってみると、私の教祖百三十年祭活動は、東日本大震災の復興支援と、雅楽を通じた文化活動の二つが大きな柱でした。

雅楽の活動は、教会系統を超えて、また未信仰の方も含め、ひのきしんの精神をもっておつとめくださる方々の協力を得て、小・中学校などでの授業や各種依頼の演奏を重ねました。さらに、その動きが発展し、「東京天理雅楽会」と名づけて、ローマ、モスクワ、モンゴルなど、数回の海外演奏につながったことは貴重な経験でした。

一方、東日本大震災の支援活動では、できるだけ多くの人手が必要ななかで、支援を必要とする人と、支援に当たるひのきしんの人を結ぶことが大きな課題だったと思います。実際に、現地の方々と共に試行錯誤しているうちに、人と人がつながり合い、瓦礫撤去に各地から人が集まり、仮設住宅での支援活動にも多くの方が足を運ばれました。また、被災地での雅楽の慰問演奏の際にも、大勢の有志が駆けつけてくださいました。親神様・教祖が、人々の真実に乗って支援の道をお付けくださる、その成り立ちの不思議さをいまも忘れることができません。

そして、この数年は、コロナ下でもできることとして、日々の十二下りのてをどりを心がけています。おつとめを勤めるなかに、親神様・教祖のご守護のありがたさを日に日に強く感じています。教会につながる人々においては、重い身上が回復したり、重度で介護が必要だった方が軽度に変わってきたりと、目に見えるご守護を頂き、その尊さとありがたさをあらためて感じているところです。また昨年、教職舎を建て替えることができました。

現状を踏まえ、これからの三年千日は、次の三つのことを意識して「つなぐ」努力を進めていきたいと思います。

【教会と人々をつなぐ】教会を起点に音楽を通して人々を結び、つないでいこうと考えています。これまでに教会を会場として、小鼓・薩摩琵琶・雅楽・鼓笛の演奏会を催してきました。教会を地域に開放して、居心地の良い、出入りしやすい場所にしていきたいと思います。

また、食料品の支援活動として、教内にも広がっているフードパントリー事業も継続し、つなぐ役目を果たしていきたいと思います。

【教えと人々をつなぐ】御教えを分かりやすく伝えること。よふぼく・信者一人ひとりが家族をはじめ、周囲の人に神様のお話を伝えられるよう、教理勉強会を通して一緒に学んでいきたいと思います。

【未来の人々へつなぐ】少年会員の年齢層が将来、お道のうえで大活躍してくれることを願い、信仰を受け継いでもらえるように、心と心の結びつきを深めていきたいと思います。鼓笛活動や雅楽の稽古、書道教室などを教えを伝える機会として、細くとも長く、じっくり時間をかけて続けていきたいと思います。

先日、中学1年生の次男と二人、自転車でおぢばへ帰りました。東京から500キロを超える距離があるので、通常ではチャレンジしようとは思いませんが、教職舎の普請を無事に終えることができたお礼の気持ちを込めて、思いきって帰らせていただきました。道中は台風の影響を受け、通行止めで回り道を余儀なくされたほか、箱根峠越えなど、困難なことが多々ありました。

この旅であらためて学んだことは、目標が遠く、到達できそうにないことでも、1メートル進めば1メートル、間違いなく目的地に近づくということです。1キロ、2キロと歩みを重ねれば、いずれ100キロ、200キロとなり、困難でも諦めず夢中で歩めば、いつしか必ず目的地に到着できるはずです。

教祖が「道」に例えて教えてくださったことを思い、一日一日の歩みを大切にし、目標に近づいていきたいと思います。教祖百四十年祭に向けての三年千日を、「つなぐ」心で、生きた働きができるように、微力ながらつとめさせていただく所存です。