天理時報オンライン

「十年の計画」を締めくくる三年千日


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兼光徳郎(満京分教会長・44歳 大阪府茨木市)

教会長として初めての年祭活動をつとめ終え、心定めが完遂できた満足感と達成感に浸っていた、7年前のある日。「陸上競技でもホップ・ステップ・ジャンプで、もっと大きく飛べるんや。次の教祖百四十年祭まで10年。三年千日を3回やったら年祭や。次はもっと大きく成人できるぞ」との、ある先生からの声は、しばらく休憩かなと考えていた私の背中を強く押してくださいました。

そこで、まず妻と相談し、「地域で輝き、頼りにしてもらえる教会になれるよう、地域活動に積極的に参加しよう」と心を定めました。

教祖からのお返事はすぐに来ました。心を定めた翌日、知人から「小学校のPTA役員をお願いできませんか?」との依頼。これを皮切りにどんどん声が掛かり、小・中学校のPTA会長、福祉委員、自治会長、保護司といったさまざまな役目を務めるようになりました。「天理教の兼光さん」という地域の信用が得られた、最初の三年千日でした。

2回目の三年千日は、コロナ禍のなか、オンラインでつながることができる無限の可能性を感じ、現代人の生活の一部であるスマホの活用を、活動の軸に据えることにしました。

まず、地域活動で知り合った私のことを「何者だろう?」と検索する人もいると考え、SNSを有効活用し、検索しやすいように工夫しました。私のSNSを見て、「天理教の人って、なんだかいい感じ」と思ってもらえるよう、教えを基に生活している陽気な雰囲気を発信。にをいがけにつながる下地づくりを意識したコンテンツ製作を心がけました。

SNSの反応を分析できるツールで確認すると、フォロワー以外にも多くの人が閲覧してくれていることが分かり、効果を実感しています。
「諭達第四号」をご発布いただき、いよいよ私の「十年の計画」を締めくくる三年千日を迎えました。これまでしてきたことが歯車のように噛み合い、一直線に人のたすかり、陽気ぐらしを目指して前進できることを願っています。

つい先日のこと。参拝場に見知らぬ若い女性が一人ポツンと座っています。「どうしましたか?」と尋ねると、しばらくの沈黙の後、「突然すみません。インスタグラムを見て教会に来ました」と言い終わるとともに、ウワーッと泣きだされたのです。歯車が「ガチャッ」と噛み合う音が聞こえた気がしました。

年祭活動、勇んで通りたいと心から思います。