2021年度「公開教学講座」終了 – 天理大 おやさと研究所
“里の仙人”の生き方求めて
天理大学おやさと研究所(永尾教昭所長)が昨年9月からオンラインで開催している「2021年度公開教学講座――信仰に生きる『逸話篇』に学ぶ(7)」は、このほど全6回をもって終了。最終の第6講では、澤井義次研究員が、逸話篇115「おたすけを一条に」を題材に講演した。
澤井氏は冒頭、真明組周旋方の立花善吉について紹介したうえで、教祖が立花に仰せになった「あんたは、これからおたすけを一条に勤めるのやで。世界の事は何も心にかけず、世界の事は何知らいでもよい。道は、辛抱と苦労やで」というお言葉に言及。これは俗世間にありながらも、神一条、たすけ一条に生きるライフスタイルを教示していると述べた。
そのうえで、教祖が当時の人々に対して求められたとされる「里の仙人」の生き方について話を進めた。
その中で、これは日ごろ世俗に住みながらも、世俗的なものの見方に流されることなく、ひたすら親神にもたれて生きる姿勢を暗示しており、お道の信仰の本質を端的に表現しているとして、「逸話のお言葉は、まさに里の仙人の生き方を示唆している」と語った。
さらに、「辛抱と苦労」というお言葉は、教祖が教えられた真実の道をたどるためのものであり、日常的な意味を超えた深い意味合いが込められているとして、「どのような状況にあっても、俗にいて俗に堕すことなく、常に親神のご守護に包まれて生かされて生きていることの喜びをもって、互いたすけ合いを実践していく。それによって、社会そのものを少しずつ陽気ぐらし社会へと立て替えていくことができる」と話した。
アーカイブ動画が視聴可能
現在、今年度全6回の講座のアーカイブ動画が下部URLから視聴できる。永尾所長は、同講座について「逸話篇に描かれている、先人たちが直接受けた仕込みを通して、生き生きとした教祖のお姿が彷彿とする。コロナ禍で人との交流が分断されつつあるいま、あらためて各逸話に込められたをやの思いを探る意義は大きい」と話している。
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なお、同研究所が主催する特別講座「教学と現代」は2月25日午後2時から、天理大学ふるさと会館で開催される。今回は、公開教学講座でも講師を務めた天理大学名誉教授の澤井義次氏が「生きることの意味とその理解――天理教人間学の地平から」をテーマに講演。同講座はオンラインでも視聴できる。
(2月23日記)
2021年度「公開教学講座」のアーカイブ動画が下記URLから視聴できる。講師とテーマのラインアップは次の通り。
https://www.tenri-u.ac.jp/oyaken/q3tncs0000004y8q.html
第1回
永尾教昭所長
110「魂は生き通し」
第2回
金子昭研究員
127「東京々々、長崎」
第3回
尾上貴行研究員
130「小さな埃は」
第4回
澤井治郎研究員
138「物は大切に」
第5回
島田勝巳研究員
123「人がめどか」
第6回
澤井義次研究員
115「おたすけを一条に」