おやのことば・おやのこころ(2022年3月2日号)
はたらきもとんな事やらしろまいな
「おふでさき」十五号37
せかいちうハをやのからだや
親里のある講習会で出会ったAさん。脳性麻痺のため、手足がほとんど動かない不自由な体で、付き添いの方と一緒に受講していました。そんなAさんが、私に笑顔で話してくれました。
「僕はこのように不自由な体ですが、手伝ってもらえば、ご飯もおいしく食べられるし、皆さんとこうしてお話もできます。それが本当にありがたくて、いつも神様に感謝しているんです」
その言葉を聞いて、自分がとても恥ずかしくなりました。
わが身を顧みると、思うようにならない些細なことに不足したり、体調が少々すぐれない程度でしんどがったりするといった、都合通りにいかないことを数えては愚痴を言ったりする日々。一方、Aさんは、数少ないできることを一つひとつ数えては喜び、感謝して通っているのです。全く逆の姿に、なんとも申し訳ない限りでした。
人は欠けていることや、不都合なことに、どうしても目がいってしまいがちです。どんなにたくさんのお恵みを頂戴していても、いくつかの不足のために、まるでお恵みがないかのような錯覚に陥ってしまいます。
コロナ下となって2年の月日が経ちます。その間、コロナによって何もかもできなくなったかのように思えてしまいますが、振り返ってよく考えると、できていることも数えきれないほどたくさんあります。こんなときほど、世界中にあまねく広がる神様のお働きに気づき、感謝することが大切でしょう。
(中田)