“社会の下支え”のおかげで – 視点
長引く新型コロナウイルス感染拡大の影響で、在宅勤務の普及や巣ごもり需要などにより、家庭から出されるプラスチックごみの量が急増している。買いだめをした食品のトレーや包装はもとより、飲食店からのテイクアウトやデリバリーに用いる使い捨てプラスチック製品が増えたことも、この傾向を助長している。
ごみの分別収集を担う自治体にとって、コロナ禍以前を上回る量のプラごみを処理する負担は小さくない。これに加え、大量の使い捨てマスクを回収・廃棄するために、従来はなかった感染防止対策にも注意を払わなければならない。2年来のコロナ下においても、これまで通り廃棄物処理の稼働態勢を維持しなければならず、現下の私たちの自粛生活は、こうした陰ながらの下支え(インフラストラクチャー)によって成り立っているのである。
電気、ガス、水道、交通といった社会インフラは言うまでもないが、廃棄物処理などの環境インフラも、私たちの“当たり前の生活”を維持するために無くてはならないものだ。これに関わる人々は、コロナ禍であらためて注目された医療従事者ら「エッセンシャルワーカー」と同様に、人知れず日夜奮闘されている。
病気やけがをすると健康の有り難さが分かるように、このたびのコロナ禍では、多くの人々の下支えのおかげで、私たちの当たり前の生活が成り立っていることを痛感させられた。
私たち人間は、親神様のご守護と存命の教祖のお導きにより、日々結構にお連れ通りいただいている。かりものの身体と天の与えへの感謝を忘れず、日々ご恩報じに努めることは、お道の者の大切な心構えである。
そして、このたびの“世界の事情”にあっては、私たちの目に見えないところで一所懸命に社会の下支えをしてくださっている人々への感謝の思いを持ち、まずは家庭から無駄なごみを出さぬよう慎みをもって暮らし、自分にできるところからたすけ合いに勤しむことが、いまの大切な心得であろう。
「感謝 慎み たすけあい」は、コロナ下の社会に映していくお道の信条だと思う。
(早渕)