センバツ直前特集 – 天理高野球部
スローガンは「繋」チーム一丸で甲子園へ
既報の通り天理高校野球部は、3月18日に開幕する第94回「選抜高校野球大会」への出場が決まった。3年連続26回目の出場となる同部は、全国制覇を目指して練習に取り組んでいる。
昨年の「秋季近畿地区高校野球大会」奈良県予選では3位と振るわなかったが、続く近畿大会では4強入りを果たした。
中村良二監督(53歳)は、今年のチームについて「キャプテンが部員をしっかりと牽引し、まとまりのあるチームになっている」と語る。
その戸井零士キャプテン(2年)は、中学時代、U‐12日本代表のメンバーとして出場したWBSC「U‐12ベースボールワールドカップ」で首位打者と外野部門のベストナインに輝いた実績を持つ。入部すると1年時の秋からメンバー入りし、昨年のセンバツ大会にも出場した。
戸井キャプテンと共に野手の中心になるのは、昨秋から四番を任される内藤大翔選手(同)。長打力と勝負強さを併せ持つスラッガーだ。
中村監督は「戸井と内藤の三・四番コンビが攻撃の要。二人とも昨年春の甲子園では悔しい思いをしているので、今年は全力を出しきれるように練習に打ち込んでいる。いかにチャンスをつくって、クリーンアップにつなげるかが勝利の鍵になる」と話す。
一方、守備の柱となるのは、身長188センチの技巧派右腕・南澤佑音投手(同)。昨秋、投球フォームを変えたことをきっかけに、安定したピッチングを身につけた。
高校入学後、同部の先輩で、先の「プロ野球新人選手選択会議(ドラフト会議)」で北海道日本ハムファイターズから1位指名を受けた達孝太投手に憧れ、同じオーバースローで投げていたが、結果が伴わなかった。そこで中村監督の提案により、中学時代の投球フォームであるスリークオーターへと変更。近畿大会では、滋賀学園高校との初戦を2失点、市立和歌山高校との2回戦を1失点に抑え、完投勝利を挙げた。
「南澤が勇気を出して自身のフォームと向き合ったことで、彼本来の質の高いストレートと、キレのある変化球を投げられるようになった」と中村監督は評する。
チームスローガンは「繋」。このスローガンには、コロナ禍の影響で甲子園に出場できなかった2学年上の先輩たちの“思いをつなぐ”との意味が込められているという。
中村監督は「甲子園で勝つには、何より実力は必要だが、野球以外の部分も大事になると思う。あいさつや人のためになる行動ができているかなど、選手一人ひとりが日ごろの生活態度を見つめ直し、この先の野球人生につながるような試合をしてほしい」と話している。
◇
なお、センバツ大会の組み合わせ抽選会は4日に行われる。
(3月2日記)