教祖に導かれて“人をたすける心”に – 修養科の四季
第958期 中原広世さん 22歳・福岡県古賀市・西海ブラジル教会所属
教会長子弟として生まれ育ち、天理教校学園高校卒業後は少年会本部で勤務しました。
勤務を始めて3年目のとき、交際していた日系ブラジル人男性との結婚を考えるようになりました。しかし、おぢばから遠く離れたブラジルへ移住することへの不安などから、結婚に踏みきれずにいました。
そんなとき、両親が「起きてきた出来事は、すべて親神様の思召で教祖のお導きだから、心配せずにしっかり凭れて通りなさい」と諭してくれました。両親の言葉に背中を押され、結婚を決意するとともに、あらためて教理を学ばせていただこうと修養科を志願しました。
初めて神殿を案内して
修養生活がスタートし、和気あいあいとした日々を過ごすなか、授業の合間や昼食後などの時間に、何人かのクラスメートが身上を抱える仲間におさづけを取り次ぐようになりました。
身上のたすかりを願う仲間の姿に感銘を受ける一方で、「私もおたすけをさせてもらわなければ」と思ったのです。ところが、そこにどこか義務感のようなものがあることに気づき、思い悩むようになりました。
そんななか、2週間が経ったころ、授業後のねりあいの時間に「人をたすける心が、どういうことなのか分からずに悩んでいる」と、思いきって打ち明けました。すると、仲間たちが私の話に真剣に耳を傾けてくれて、心が楽になりました。
また、担任の先生が「勇気を出して形から始めてみることも大切」と教えてくださったことをきっかけに、「話を聞くなど、小さなことからでも自分にできることを実践してみよう」と思いました。
こうしたなか、2カ月目の本部月次祭の日。天理本通りで、あるご夫婦から「天理教の神殿へ行くには、どうすればいいでしょうか?」と声をかけられたのです。ちょうど神殿へ向かっていたところだったので、案内しました。
聞くところによると、ご主人が定年までバスの運転手をしていて、夏の「こどもおぢばがえり」の時期に、何度か天理を通ったことがあり、一度、本部神殿を訪れてみたいと思っていたそうです。
やがて神苑に着くと、ご夫婦は「あなたに神殿を案内してもらいたい」と、おっしゃるのです。これまで未信仰の人を案内したことがなく、戸惑いましたが、修養科で学んだ基本的な知識を思い出しながら、親神様・教祖、かんろだいなどについて、私なりに精いっぱい説明させていただきました。ご夫婦は終始感心した様子で、私の話を聴いてくださいました。
ご夫婦と別れた後、人の役に立てたことに大きな喜びを感じ、晴れやかな気持ちになりました。そして「『私にできるおたすけがあれば』と思っていたさなか、困っている人に手を差し伸べられるようにと、教祖が導いてくださったのでは」と思い至り、親神様の深い親心を感じて、お礼を申し上げながら月次祭に参拝させていただきました。
この出来事があってから、それまで以上に人の役に立つことを意識しながら修養生活を過ごしました。教祖のお導きのままに“人をたすける心”を育んでいただいた3カ月でした。
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修了後、教人資格講習会を経て、昨年10月に結婚。4月にはブラジルへ渡り、主人の実家の教会で住み込ませていただく予定です。言葉や文化の異なる地での生活になりますが、これからも変わらず、自分にできるおたすけを実践して、世界にお道の信仰を広めていきたいと思います。