おぢば好日 – 親里からの旅立ち

未来に花を咲かすべく
“天理のサクラ”が開花し、神苑を明るく彩る。厳しい寒さをじっと耐え抜き、今年も見事な花を咲かせている。
春の訪れを告げるサクラに見送られるように、親里で学んだ若者たちが門出の日を迎えた。

振り返ると、期待に胸を膨らませスタートした学生生活は、概して思い描くような日々ではなかった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、3年目の授業はオンラインばかり。クラブ活動やアルバイトもままならなかった。
教職員を目指したある天理大学生は、対面の模擬授業ができず、教育現場の空気を肌身で感じ取ることができなかったという。そんななか、コロナ下で実施された教育実習などを経て学びを深め、4月から晴れて教壇に立つ。
昨年、渡航の規制が厳しいなか海を渡り、天理教語学院に入学した留学生たち。さまざまな不安を感じながらも、すべての出来事に親神様のメッセージが込められていると信じて凭れてきた。
ある留学生は、身内の出直しに心を倒しそうになったが、師や友に支えられて卒業を迎え、母国で教えを伝え広める決意を胸に学び舎を巣立つ。
親里は間もなく桜花爛漫を迎える。苦難を乗り越え親里から旅立つ若者たちは、“天理のサクラ”のように、やがて未来に花を咲かすべく、新たな一歩を踏み出した。