ようぼく百花 明日へChallenge – ドッジボール日本代表・天理中吹奏楽部コーチ 岩田春世さん
このコーナーでは、さまざまな分野でChallengeするようぼくを紹介します。
天理を世界に広めたい
「ドッジボールをきっかけに、世界中の人たちに天理を知ってもらえたら」
そう話すのは、ドッジボール日本代表選手として世界を舞台に戦っている岩田晴世さん(25歳・本部直属鷄林分教会教人・奈良市)。腕の長さを生かした攻撃力の高さで、シングルボール(下部コラム参照)の国際大会である「ADCカップアジアドッジボール選手権」の4連覇に貢献した、日本屈指の“エースアタッカー”だ。
小学1年生のころ、学校のクラブチームでドッジボールを始めた。天理中学校へ進んでからも、同クラブのOBチームで練習を重ねた。
天理高校時代には、天理市内のドッジボールチームや県の女子チームの一員として諸大会へ出場し、優秀な成績を残してきた。さらに3年時には、日本代表に初選出され、国際大会を経験した。
また、天理大学3年のとき、「日本のドッジボールを世界へ広めたい」との思いでフランス留学。現地のドッジボールチームでマルチボールの経験を積むとともに、学校や施設を巡ってシングルボールの普及にも努めた。
一方、留学中はヨーロッパ出張所を拠点に、日常生活でのにをいがけを意識してきたという。
チームメートには、自身が天理教を信仰していることを伝え、普段からごみ拾いを心がけた。その姿に関心を示す現地の人に声をかけられた際には、ひのきしんの教えを説明した。
「自らの行いをきっかけに、天理の教えを知ってもらえたことがうれしかった」
自身の経験を後輩に伝えて
岩田さんは、ドッジボール競技で活躍する傍ら、音楽活動にも取り組んできた。
「こどもおぢばがえり」の「おやさとパレード」で見た鼓笛隊にあこがれ、小学3年生のときに入隊。天理中と天理高では吹奏楽部に所属し、練習に明け暮れた。
さらに、天理大時代には天理中吹奏楽部のコーチも引き受けた。
岩田さんは音楽を通じて、人に喜んでもらう演奏をする心構えとして「感謝の心、素直な心、喜びの心」の大切さを教わったという。部の後輩たちにも、日ごろから周りの人に喜んでもらうよう意識して生活することの大切さを伝えている。
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現在、天理中の嘱託講師を務めながら、中学時代から所属するドッジボールチームで監督とキャプテンを兼任。チームの日本一を目指している。
「もう一つの目標である、日本代表の悲願の世界一のためにも、これからもしっかりと練習に打ち込んでいく。そして、自らの姿を通じて、一人でも多くの人に天理を知ってもらえるように、“二足のわらじ”を履き続けていきたい」
コラム – シングルボールとマルチボール
ドッジボールには、一つのボールを使う「シングルボール」と、複数のボールを用いる「マルチボール」の二つのルールがある。試合に出場するプレーヤーの人数やコートの広さ、外野の有無などの違いがあり、世界ではマルチボールが広く普及している。シングルボールは、日本を含むアジア圏で親しまれている。