おやのことば・おやのこころ(2022年4月6日号)
七ッ なにかよろづのたすけあい
「みかぐらうた」四下り目
むねのうちよりしあんせよ
春は卒業、入学の季節です。過日、息子の通う中学校の卒業式に、PTA会長として出席しました。
時節柄、残念なことに180人の卒業生のうち、10人ほど卒業式を休まざるを得ませんでした。卒業証書授与の際、卒業生は担任の先生から名前を呼ばれ、大きな返事とともに壇上へと向かいます。はて、式に来られなかった生徒のときはどうなるのだろう。一抹の不安を抱きながら耳を傾けていました。すると、本人の代わりに、それぞれのクラスの生徒全員が、元気に返事をするのです。なんとも言えない温かい気持ちになりました。欠席の卒業生の中には、新型コロナウイルスが理由ではなく、普段からなかなか教室まで来られなかった生徒たちもいました。
式が終わり、校長室で欠席した卒業生への計らいを絶賛したところ、それは生徒たちからの提案だったと聞かされました。
「クラスの仲間全員で、きょうのこの日に一緒に卒業するんだ」という、仲間を思いやる生徒たちの心がしみじみと伝わってきて、再び胸が熱くなりました。
この世界は、すべてがたすけ合いによって成り立っており、親神様は思いやりとたすけ合いの姿を何よりもお望みになっています。祝辞の中で、互い立て合いたすけ合いの大切さを、はなむけの言葉として伝えましたが、もはや老婆心だったかもしれません。そんな生徒たちを見て、親神様もさぞお喜びのことでしょう。
(中田)