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顔を思い浮かべながら自筆の手紙をしたため


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7月の旧称は「文月」。その「文」の語源は、七夕の短冊にあるそうです。

筆者はほとんどの場合、ワープロソフトで文章を作ります。手書きをすると、挿入や訂正で真っ黒になってしまいかねません。便利さに慣れて漢字を忘れてしまうという欠点はありますが、読みやすい文字で書き出してくれ、デジタル保存も容易です。最近は手紙ですら、署名以外はワープロソフトで作成することが多くなりました。

しかし、お礼状だけは自筆にこだわっています。お礼状は単なる儀礼ではなく、思いを伝える手段だと思うからです。「ここで改行すると読みにくいな」「もう少し丁寧な字を書かないと失礼になるな」などと、相手のことを思う時間がおのずと長くなります。顔が浮かぶことで、文面にも、より心がこもる気がします。

文月の夕まぐれ。ご無沙汰している方に、ご機嫌伺いの手紙をしたためてみましょうか。手書きの文字に思いを込めて。

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