【AI音声対象記事】
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間違いさえなければ、末は何程結構になるや知れないで。
『稿本天理教教祖伝逸話篇』103「間違いのないように」
タチアオイ
先月の月次祭で、久しぶりに龍笛を演奏しました。長らく“代役”を務めてもらっていた雅楽のCDを聴きながら練習を重ね、祭典当日は、なんとか三管の音を合わせることができました。
幼いころから耳にしていた雅楽の不思議な音色。初めて真剣に向き合ったのは大学の夏休みでした。音楽に興味があってオーケストラにも所属していたことから、お道の御用につながる雅楽を学んでみようと、大阪教区の「夏季雅楽講習会」に参加したのです。
譜面の読み方や特有の間の取り方と格闘するなか、何よりも苦労したのが音程でした。実は現代音楽と比べると、雅楽は基準となる音程が少し低いのです。実際に耳から入ってくる音と、頭の中に刷り込まれている音のズレが気になって、なかなか適応できなかったことを覚えています。
音楽に限らず、長年かけて身に付けた基準や習慣を変えることは簡単ではありません。油断していると、すぐに元のほうへ引き戻されそうになります。新しい挑戦であれば、なおさらでしょう。それを支えてくれるのは、先を見据えた確かな目標、あるいは師や仲間の存在かもしれません。
いまは夏のおぢばに心を寄せ、各地で鼓笛隊の活動が進められています。子供たちには教会へ足を運び、たすけ合い、時には泣いたり笑ったりしながら、心の中に道の子らしい基準を育んでほしいものです。
(大塚)