天理時報オンライン

心を澄ます毎日を精いっぱい歩む


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2023・9月号を見る

上垣和敬(大今里分教会長・41歳・大阪市東成区)

立教180年1月1日から182年12月31日までの3年間、毎年365回以上の路傍講演をつとめると心定めをしました。それを実践するなか、たくさんの方々との出会いがあり、教会の月次祭でおつとめ奉仕をしてくださるようになった方もあります。

毎日の路傍講演で主な拠点とした場所は、自教会の最寄り駅の前でした。

立教183年、心定めを達成し、この後、どう通らせていただこうかと思案していたところ、コロナ下と呼ばれる状況になりました。

4月7日、緊急事態宣言の発出直前に路傍講演をつとめ、それを最後に、駅前での路傍講演を控えることにしました。

毎日行っていたルーティンがなくなり、悶々と過ごすなか、路傍講演をつとめていた付近のごみ拾いをすることにしました。路傍講演の心定めをしていた当時もごみ拾いはしていましたが、せっかくなので、少し範囲を広げて行うことにしました。

駅前付近はそれほど多くなかったものの、少し離れた所を清掃してみると、ごみ袋はあっという間にいっぱいになってしまいました。これを毎日続けるのは大変なことだと思いましたが、2、3日続けてみると、回収量は減っていきました。ごみが多く捨てられていたのではなく、清掃が不十分だったのだと気づきました。

おたすけで人と接するとき、どうしてそんな心づかいをされるのだろうと頭を抱えてしまうことがありましたが、このごみ拾いを通して、私も相手の方も、使う心のほこりの数は、さほど変わらない。むしろ私のほうが多いくらいかもしれない。けれど、違いがあるとすれば、おつとめなどを通して胸の掃除を心がけていたかどうかではないかと悟ることができました。

2023年5月8日、新型コロナウイルスが5類感染症に移行されたのを機に、毎日の路傍講演を再開しました。路傍講演の後には、コロナ下で続けていた範囲のごみ拾いを、引き続き行っています。

この毎日の路傍講演とごみ拾いの実行が、年祭活動のささやかな心定めです。

最近、小腸がんを患う方のおたすけに通っています。病室のベッドから動けない状態ですが、ご本人にはおつとめを勤めることを勧めています。この方と共に私も、心を澄ます毎日を精いっぱい歩ませていただきたいと思います。