亡き母の思いを胸に – 読者のひろば
大橋理一(25歳・宮崎県小林市)
教会で生まれ、両親からお道の教えを聞いて育った。高校卒業後は天理大学へ進んだが、正直なところ、大学時代は信仰から心が離れていた。
そんななか、3年生の7月、母が突然出直すという大節に直面した。
学生時代にタイから来日した母は、おぢばで父と出会って結婚し、慣れない環境で私を育ててくれた。また、「大学卒業後は、大教会で青年づとめをするように」と勧めてくれていた。
母の出直しから自らの通り方を改めた私は、信仰に篤かった母の思いに少しでも近づこうと、卒業後は大教会で青年づとめを志願しようと決意した。
大教会での生活は、午前中は敷地内の掃除や炊事などの御用に励み、午後からおてふりや教理を学んだ。
そんなある日、母が天理教語学院で勉強していたときのことを知る人から話を聞く機会があった。言葉が分からない中も明るく通ったという生前の様子が伝わる話を聞かせていただき、母への思慕が募った。
その後、大教会で伏せ込みの日々を送るうちに、以前は物事を自分中心に考えてしまいがちだったのが、少しずつ他者の行動に心を配り、人のために尽くす行いができるようになった。
今年3月、大教会での2年間の青年づとめを終えた。まだまだ成人できていないと感じるところもあるが、大教会で伏せ込ませていただいたことで、母が望んだようぼくの姿へと、少しは近づけたのかなと思う。
この2年間で学んだことを生かし、両親がつないでくれたお道の教えを大切にして、これからも亡き母に喜んでもらえる道を勇んで通らせていただきたい。