全国学生柔道大会で好成績 – 天理大学柔道部2選手
2024・3/6号を見る
【AI音声対象記事】
スタンダードプランで視聴できます。
天理大学柔道部は2月17、18の両日、天理大学杣之内第1体育館で行われた「全日本学生柔道 Winter Challenge Tournament」に出場。100キロ超級で鈴木太陽選手(3年)が優勝に輝き、60キロ級では田中克輝選手(同)が準優勝した。
けがに耐え初優勝 – 鈴木太陽選手
柔道経験者の親の影響で、小学生のとき、初めて柔道着に袖を通した。当初は「あまりやる気がなかった」と振り返るが、中学生になると「一番になりたい」と思うように。強くなるために近隣の高校へ出稽古に赴き、真剣に練習に取り組んだ。
その後、天理高校へ進学。高校時代には、インターハイで5位入賞した。そして、「もっと柔道がしたい。全国で一番を獲りたい」と天理大学へ進んだ。
がっぷり組み合っての真っ向勝負を信条とする鈴木選手。得意技は、幼少から鍛え上げてきた「大外刈」だ。
重量級では「小さいほう」と自身を評する。毎日の筋力トレーニングはもとより、一日5食を心がけるなどして、体格差のある相手に力負けしないようにパワーをつけてきた。
2年生の夏から団体戦のメンバーとして活躍。個人戦でも全日本学生選手権などに出場してきた。
2度目の出場となる今大会では、一つ階級を上げて挑んだ。ところが、大会1週間前に肩を負傷。そのため「試合時間が長引くと分が悪くなるので、技をガンガン仕掛けて短期決戦を目指す」ことを心がけて畳へ上がった。
トーナメントを順調に勝ち進み、決勝へ進出。決勝戦では、相手に二つの指導が与えられるも、決着がつかず延長戦にもつれ込む。延長戦の開始直後、肩の関節が抜けるアクシデントに見舞われ、「気持ちが切れた」という鈴木選手。それでも、仲間の声援を受けて試合を続行。途中、再び肩の関節が外れるも戦線復帰し、延長7分32秒、相手に三つ目の指導が与えられ、反則勝ちで初優勝を手にした。
鈴木選手は「この勝利を糧に、次の大会でも優勝を狙っていく。組手の技術をさらに高めるとともに、試合の運び方も勉強して、真っ向勝負で相手を投げて勝てるように成長したい」と話している。
粘り強く戦い準V – 田中克輝選手
3歳上の兄の影響を受け、小学2年で柔道を始めた田中選手。中学に柔道部がなかったため、引き続き道場へ通い、3年時には「全国中学校柔道大会」で5位入賞した。
高校柔道部の監督が天理大学出身だった縁で、天理大学へ。「天理には強い人が多く、さまざまなスタイルの選手がいる。その人たちと稽古を重ねる中で、試合展開に合わせた対応力が身についた」と話す。
粘り強さが持ち味。得意技は、小柄な体躯から繰り出す「背負投」だ。
日々の練習は、試合で百パーセントの力が出せるよう、常に試合を想定して取り組む。また、軽量級の試合は決着がつきにくく、延長戦にもつれ込むことが多いため、「全試合が延長になっても戦い抜けるよう、体力強化を含む準備をしている」と。
今大会は2度目の挑戦となる。大会に向けて相手に組み勝つ力をつけようと、重量級の選手と練習してきた。
2回戦から出場すると、3回戦、5回戦、準決勝と延長戦を制しながら勝ち上がっていく。決勝の相手は、中学時代から何度も戦い、お互いの手の内を知り尽くしている選手。この試合も延長戦にもつれ込むなか、延長4分34秒、「背負投」で技ありを取られて敗れた。
田中選手は「優勝に届かず、とにかく悔しい。いままでと同じ練習だったら、同じ負け方をしてしまうので、次の大会に向け、さらに自身を追い込む特訓を重ねたい」と話している。