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土井髙德さん(70歳・鎭亜分教会長・北九州市)は先ごろ、国内唯一の「治療的里親」として約半世紀にわたり少年院や刑務所からの社会復帰を目指す若者の自立支援を続けてきた功績を称えられ、NPO法人「刑事司法及び少年司法に関する教育・学術研究推進センター」から「守屋賞」を贈られた。
「治療的里親」とは、深刻な虐待体験や発達障害によるさまざまな問題を抱える子供たちを、専門家と連携しながら治療・養育する専門知識を持つ里親のこと。
かねて、不登校やひきこもりの子供たちのおたすけに携わり、平成14年に里親登録。21年に青少年希望の家「土井ホーム」を開設してからは、医師や臨床心理士らと連携しながら、心身に深い傷を負った子供たちにたすけの手を差し伸べ、これまで200人以上の自立支援に携わってきた。
また15年には、確かな専門知識を身に付けようと北九州市立大学大学院で臨床教育学を専攻し、20年に博士号取得。その後は、学んだ知識や研究成果を教会での実践に生かすとともに、児童福祉に関する論文や著作の執筆活動にも精力的に取り組み、心に傷を持つ子供たちへの寄り添い方などについて著書や講演、ネットで発信してきた。
土井さんは「教祖のひながたを胸に、どれほど深刻な問題を抱えた子でも受け入れ、温かい家庭生活を送れるよう寄り添ってきた。なかには、お道につながった子も少なくない。これからも地域の人と協力しながら、子供たちの支えとなる活動を続けていきたい」と話している。