「やまのべラグビー教室」創立50周年 – 親里で記念交流試合
“ちびっこラガー”はつらつプレー
昨年、創立50周年を迎えた天理市の幼少年向けラグビースクール「やまのべラグビー教室」は6月12日、親里ラグビー場で記念交流試合を開催。県内外のラグビースクール4チームから計198人の“ちびっこラガー”が集まり、はつらつとプレーした。
同教室は、櫛引英吉・同教室監督(88歳・人舞分教会ようぼく)と榎本吉雄氏(故人)が「子供たちにラグビーを教えて、共々に楽しみたい」との思いから、昭和46年に奈良県内の幼少年向けのラグビースクールとして発足。子供たちが楕円球に親しみ、楽しみながら基礎を学ぶ場を長年提供してきた。
所属選手のほとんどが天理小学生で、OBの中には、天理中学校、天理高校のラグビー部を経て、大学・社会人チームで名を馳せた名選手が少なくない。日本代表56キャップを誇る“天理ラグビーの申し子”立川理道選手(32歳・但八分教会みちのり布教所ようぼく・クボタスピアーズ船橋・東京ベイ所属)をはじめ、今季は9人の選手が日本ラグビーの最高峰「ジャパンラグビーリーグワン」の各チームに在籍した。
現在「天理ラグビークラブ」のラグビースクールとして活動している同教室。幼児から小学6年生までの計91人が、シーズンとなる9月から翌年5月にかけて練習している。
ラグビーの楽しさ伝えて
当日は入梅前の晴れ間が広がり、山あいのラグビー場に柔らかい風が吹き抜けた。
オープニングセレモニーでは、田中善教・同教室副室長があいさつ。「この教室では長年、楽しむことと、感謝することを子供たちに伝えてきた。ここでの経験を糧に、これからの人生をより豊かに、素晴らしいものにしてもらいたい」と話した。
記念撮影の後、グラウンドを分けて試合開始。各コートでは、学年別の対抗戦や同教室OBとのタグラグビー(タックルの代わりに、選手の腰に付けた帯状のひもを奪う、ラグビーを簡易にしたゲーム)などが行われた。
子供たちは元気いっぱいにプレーに興じ、時には憧れのOBからアドバイスを受けるなど、世代を超えて交流を深めた。
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OBの一人で、子供たちの求めに応じてサインをしていたのは島根一磨選手(25歳・作州分教会ようぼく・埼玉パナソニックワイルドナイツ所属)。天理生まれの天理育ちで、同教室のコーチを務めていた父親の影響からラグビーを始めた。その後は天理中・高・大のラグビー部でキャプテンを務め、現在、ジャパンラグビーリーグワンの初代覇者・埼玉パナソニックワイルドナイツに所属している。
島根選手は「この教室では“楽しむラグビー”を教わり、チームとして一致団結することや“感謝するラグビー”を学んだ原点でもある。ここでプレーする中で、子供たちがラグビーの楽しさを知ってくれれば」と話していた。
やまのべラグビー教室50周年記念イベントの様子を見ることができる