3年ぶりセンバツ出場決定 新監督のもと初の甲子園へ – 天理高校野球部
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お道の高校球児に球春到来――。3月18日から兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開催される第97回「選抜高校野球大会」。その出場32校を決める選考委員会が1月24日に行われ、天理高校野球部の3年ぶり27回目の出場が決まった。
「守り勝つ野球」を掲げて
24日午後3時30分。静まり返る天理高校会議室で、西田伊作校長をはじめ、関係者や報道陣が選抜高校野球大会の出場校を発表する「センバツLIVE!」の配信を見守る。21世紀枠の発表から始まり、北から順番に出場校が読み上げられていく。
4時、近畿地区出場校の一つとして天理高校の名前が読み上げられ、同部のセンバツ出場が決まった。
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昨年1月、天理大学野球部前監督の藤原忠理氏(59歳)が新監督に就任した。
新監督のもと、夏の県大会後に発足した新チームは、永末峻也選手(2年)が打撃、赤埴幸輝選手(同)が守備のキャプテンを担う、二人の主将を置く新体制でスタートした。
「守り勝つ野球」を合言葉に掲げた新チームは、「秋季近畿地区高校野球大会」奈良県予選準決勝で智辯学園高校を破り、決勝で奈良高校に11‐1で圧勝。5試合57得点の圧倒的攻撃力を発揮し、2年ぶり26回目の優勝に輝いた。
続く「秋季近畿地区高校野球大会」では、和歌山東高校との初戦で先発の下坊大陸投手(2年)が八回3分の2を1失点と好投を見せ、5‐1で勝利した。
準々決勝は、滋賀短期大学附属高校と対戦。1点リードで迎えた七回裏、赤埴選手と永末選手の“主将コンビ”が連続ヒットを放ち、2点追加。4‐1で勝ち上がった。
準決勝は兵庫県代表の東洋大学附属姫路高校と対戦したが、相手打線を抑えきれず3‐11で敗北。近畿大会をベスト4で終えた。
感謝の気持ちを大切に
センバツ出場が決まった直後、西田校長は選手たちが待つ親里野球場へ。「センバツ出場おめでとう。この日を迎えることができたのは、皆さんの努力と、支えてくださる多くの人たちのおかげ。感謝の気持ちを大切に、一層練習に励んでほしい」と激励すると、選手たちは喜びを爆発させた。
藤原監督は「近畿大会の東洋大姫路戦を通じて、全国レベルの体づくりの意識とパワーの差を肌で感じた。選手たちも体感したその“差”を克服するべく、冬は走り込みや筋力トレーニングを中心に猛練習を重ねてきた。バッテリーを中心とした『守り勝つ野球』を意識し、天理の伝統に恥じない戦い方をして、全国上位を目指していく」と話した。
永末キャプテンは「率直にうれしい。全国の大舞台に立つのがとても楽しみ。センバツ大会では、近畿大会で負けた東洋大姫路高校や、明治神宮大会で優勝した横浜高校とぜひ戦いたい。そのうえで、一番良い結果を出せるよう頑張り、応援してくださる人たちに喜んでもらえるような試合ができたら」と語った。
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なお、本大会の組み合わせ抽選会は3月7日に行われる。本紙では次号以降に、“大舞台”に向けて練習に励む天理ナインの特集を予定している。