時報俳壇(2025年2月26日号)– ふじもとよしこ選
2025・2/26号を見る
【AI音声対象記事】
スタンダードプランで視聴できます。
雪の夜や一人謹書のおふでさき
二戸市 高屋敷節子
春近し神名流しのうた弾む
門真市 傳石 敏治
御苦労を偲ぶ寒さの一日かな
名古屋市 伊園 三郎
着膨れの神名流しへ会釈せり
堺市 西村 成人
何ごともない一日や日脚伸ぶ
愛媛県 中山 富貴
文脈の深きユーモア漱石忌
横浜市 番家 達也
一年の早き齢や年の豆
名張市 霧道 三明
着ぶくれてぶつかり歩く本通り
旭川市 藤崎 実
雲朱く富士大らかに日脚伸ぶ
豊川市 菊地美智代
重ね着の上に重ね着爺と婆
札幌市 田森つとむ
凩やオーケストラの指揮者めく
町田市 鯉渕 洋子
葉牡丹の華かんむりや床飾り
天理市 北 をさむ
青竹の一輪ざしに実千両
東京都 大矢 典子
冬麗初席のちかい孫二十歳
水戸市 富田 直子
善し悪しを腹に納めて福茶かな
飯田市 水野千佐子
出直しの母のひと息冬の虹
大村市 美野田利江
初旅の宿は文人ゆかりの間
さいたま市 斉藤 博之
夫の撒く節分豆は福の豆
千葉県 樋渡 忍
ストーブの小さな炎消すまいと
滝川市 加納千世子
おとまり会外で出迎えの雪達磨
東京都 長嶋 眞一
ドカ雪と竹馬の友の訃報かな
江別市 杉山 忠和
吹きなだめ七草粥を子にあたふ
浜松市 鈴木和加恵
ぢばという親元集う寒鴉
宇治市 原 清彦
寒鰤に活気あふれる氷見漁港
氷見市 津田 直俊
年祭の仕上げの年や先ず勇め
市川市 小松 富子
選者詠
雪霏霏と島島の黙打つ波頭
【評】
高屋敷さん――おふでさきは、おつとめが強調されている教祖直筆の原典です。雪の夜、心を込め謹んで書き写している作者です。
傳石さん――神名流しの声も季節や天候により異なって聞こえます。今日の弾む声に春間近と感じた作者です。
伊園さん――寒い一日、教祖の御苦労を偲ぶ作者。厳寒の監獄での教祖を思い浮かべているのでしょうか。
次回は、4月末までの到着分から選句。投稿は春の季語(2、3、4月)を用いた俳句3句まで。お名前(ふりがな)、電話番号、住所を付記のうえ、下記までお送りください。
〒632‐8686 天理郵便局私書箱30号「時報俳壇」係
Eメール[email protected]