自然のなかでご守護を体感 – 記者がゆくVol.9 夏休みさんさいの里キャンプ編
親里で開催される行事を記者が実地に体験し、感じたことを交えて報告するシリーズ企画「記者がゆく」。第9回は、天理教青少年野外活動センター「さんさいの里」で行われた「夏休みさんさいの里キャンプ」を取り上げる。日帰りで同キャンプに参加した少年会櫻井団(岡﨑幹太郎団長)に、入社2年目の記者がスタッフとして同行し、体験取材した。
「キャンプは楽しみですか?」。少年会本部の“お兄さん”の問いかけに、「もちろん楽しみ!」とハツラツと答える子供たちの声が山中に響く――。
8月3日午前10時すぎ、櫻井団の少年会員24人が「さんさいの里」(奈良市)に到着した。
“天理キャンプ”の特徴
入所式を終えると、班ごとにカレーライス作りがスタート。記者は、小学生5人と中学生1人の班に付き、薪割りを担当するA君を補助した。
直径5センチほどの薪をナタで真っ二つに割ろうとするが、なかなかうまくいかない。そこで、薪の角のほうに刃を当て、「イチ、ニッ!」と声をかけて割らせてみると、細長く割ることができた。これを繰り返し、火起こしに必要な分を準備して、古新聞や小枝に多目的ライターで着火。薪に火が移った瞬間、子供たちは「やったー」と声を上げた。
A君は「火を起こすことが、こんなに大変だとは思わなかった。火の大切さに気づいた」と笑顔を見せる。普段はゲームをすることが多いと話す班員たちが、互いに力を合わせて火を起こすだけで、これほど喜べることに驚いた。記者自身も、普段の生活では当たり前と思いがちな火のご守護のありがたさを実感した。
調理開始から2時間後、完成したカレーライスを実食。「美味しい!」。ひと口、もうひと口と頬張る子供たちの笑顔が溢れる。
午後のレクリエーションの時間は、「ネイチャークラフト」「ボルダリング」などの遊びに興じる。その際、子供たちに「気をつけてね」などと声をかけ、安全面に気を配る少年会本部や櫻井団のスタッフたち。自然の中で少年会員が思いきりキャンプを楽しむために、大人たちが適切にサポートしていることも“天理キャンプ”の特徴の一つだと思った。こうした中から、育成に携わる者の心構えを学ぶこともできる。
最後は、「つどいのホール」でキャンプファイアが行われた。
“天理キャンプ”での日常と異なる体験を通じて、子供たちはさまざまな“気づき”を得る。自分にできることを考え、互いにたすけ合おうとする場面を随所で目にし、「一手一つ」の素晴らしさも再認識できた。キャンプはど素人の記者だが、このことを自教会での道の子弟育成に役立てていきたい。
文=久保加津真
写真=山本暢宏
さんさいの里キャンプの様子を下記から見ることができます。