消えゆく言語を次世代へ – 啓発委員会
2022年9月14日
トピックス 天理教啓発委員会(村田幸喜委員長)は8月26日午後、第50回「一れつきょうだい」推進研修会を陽気ホールで開催。直属・教区の関係者ら104人が参加した。
節目を迎えた今回は、沖縄キリスト教学院大学教授で言語学者の新垣友子氏が「琉球諸語(しまくとぅば)復興のために――現状と課題」と題して講演した。
「しまくとぅば」は沖縄県の島々で受け継がれてきた言語の総称で、現在、消滅危機言語に認定されている。
新垣氏は冒頭、しまくとぅばが日本語の方言ではなく、独立した一つの言語であることを、両言語の同根語の比率をもとに解説。2009年にユネスコ(国際連合教育科学文化機関)がしまくとぅばを消滅危機言語に認定した経緯を踏まえ、話者が減少した原因が戦後の標準語励行運動にあるとして、「沖縄の言葉は劣っている、子供に継承してはいけないという意識が県民に根づいたためではないか」と持論を述べた。
最後に、いま沖縄県で展開されているしまくとぅばの復興活動を紹介し、「新しい話者を育成することが今後の課題。そのためには、しまくとぅばは方言ではなく一つの言語であるという認識を共有し、学ぶ機会を教育現場に導入することが求められる」と語った。
コラム – 天理教啓発委員会の歩み
昭和44(1969)年、「天理教同和問題推進委員会」(のちに同和推進委員会に改称)が発足。以来、研修会や講座の開催をはじめ、啓発誌『世界ろくぢ』を発行するなど、人権問題や差別問題に対する教内の認識向上に努めてきた。平成7(1995)年に同委員会が改組・改称され、「天理教啓発委員会」として再出発。同年、親里で初開催された「一れつきょうだい」推進研修会は、現在も啓発活動の一環として定期的に開かれている。