夏のおぢばの思い出 – おやさとスケッチ
暦のうえでは「白露」を迎えます。夜中に大気が冷え、草花や木に朝露が降り始めるころです。心なしか暑さも和らいできました。そんな中にも、今年の夏を振り返ると、3年ぶりにおぢばに子供たちの笑顔が戻ってきたように思います。
週末に本部神殿へ行くと、特別企画「鼓笛お供演奏」のために練習している鼓笛隊のにぎやかな音色が耳に飛び込んできました。やはり生の音は迫力があり、実際に見る演奏の姿は格好いいなと思いました。
以前、天理中学校では、7月31日にお茶接待のひのきしんを行うのが恒例になっていました。
生徒は忙しければ忙しいほどやる気を出して、時間が経つのも忘れるくらい動き回ります。普段あまり声を出さない生徒が「お茶いかがですかあ」と大声を出すのを見て、驚かされたこともあります。
おいしそうに飲んだ人が湯呑みを返してくれるときに、「ありがとう」と言ってくださるそのひと言がまたうれしく、さらにやる気が出ます。
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半世紀も前の自分の夏休みの日記を読み返すと、夜の天理プールで「プールサイド行事」を見たことが書かれていました。「おやさとパレード」が始まる前のことです。天理高校の吹奏楽部の演奏と、「酒呑童子」という出し物に感動したことを覚えています。
天理プールで行われる小学校の水泳教室に参加したことも日記に書かれています。ただ、このプールは足がつかないくらい深く、“かなづち”だった私にとって恐怖以外の何物でもありませんでした。泳ぐ際は、溺れそうになったときにつかまる竿を手に、ついてくださる先生だけが頼りだったことを、いまでも覚えています。それでも20メートル泳げたらもらえる、水泳帽につける「赤線」欲しさに頑張っていました。
高さ10メートルの台に、かつての教え子たちが立ってくれました。まぶしい姿です
小学4年生の時の日記帳から
描いてみて、とても凝った素晴らしいデザインであることを再認識しました
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今年の夏は「命にかかわる危険な暑さ」「災害級の暑さ」が続きましたが、どんなに強く太陽が照りつける中も、神殿にたどり着くと、オアシスのようにほっと一息つけました。
礼拝場に着座すると、吹き抜ける風が心地よく、教祖の懐に抱かれているような気持ちになります。
西薗和泉 (にしぞの・いずみ) 画家
1960年、天理市生まれ。84年、京都市立芸術大学油画科卒業。2021年まで天理中学校美術教諭を務めた。『すきっと』(道友社刊)で「毎日がスケッチ日和」を連載中。勢白分教会ようぼく。
季節の絵てがみ
オクラの花は実と同様に食べられますよ。
絵てがみプレゼント
西薗さん描き下ろしの絵てがみを、抽選で3人の方にプレゼントします(写真はサンプル)。ご希望の方は、ハガキまたはEメールで「9月14日号『おやさとスケッチ』絵てがみ希望」と明記のうえ、住所・氏名・年齢・電話番号を書き添えて下記まで。紙面の感想やご意見も併せてお聞かせください。今号の締め切りは9月23日(消印有効)。なお、当選者の発表は発送をもって代えさせていただきます。
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天理郵便局私書箱30号
天理時報「おやさとスケッチ」係
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