“陽気”な研修を通じて若者の可能性を生かしたい (株)マナベル代表取締役/人材育成コンサルタント 吉川孝之さん – ようぼく百花
株式会社マナベルで代表取締役を務めている吉川孝之さん(48歳・教会本部ようぼく)。人材育成コンサルタントとして、高校生から経営者まで幅広い層を対象に研修を実施するなど、人材育成や教育の分野で活躍している。
親里で生まれ、幼いころからお道の教えを身近に感じて育った。天理高校を卒業後、一級建築士を目指し、大阪工業大学工学部の夜間に学びながら、日中は大阪府内の設計事務所で働いた。大学卒業後も同事務所で勤めるなか、25歳のとき、人間関係のトラブルに巻き込まれ、退職を余儀なくされた。
一級建築士になる夢が頓挫した吉川さんは、一般企業へ転職。システム開発や通販部門、営業職など、さまざまな業務を経験。そんななか、転機となったのは、28歳のとき任された高校生向けの就職ガイダンス講師の仕事だった。
それまで研修講師をした経験はなかったが、自身が高卒で働いていた経験などを伝えたところ評判となり、多数の高校から研修依頼が舞い込むように。その後、大学でのマナー研修や新入社員研修の講師などの経験を積み重ね、36歳のとき独立。株式会社マナベルを設立した。
教えの素晴らしさ再認識
独立して12年。企業や学校などから寄せられる依頼内容は、「モチベーションコントロール」「チームマネジメント」「世代間ギャップの解消」などさまざま。その一方で、吉川さんが行うすべての研修に共通するのが、研修内容のベースに教えのエッセンスが詰め込まれているということだ。
こうした研修スタイルを確立した背景には、天理を離れ、社会で働くようになって、あらためて教えの素晴らしさに気づいた実体験があるという。
「『感謝』や『たすけ合い』が大切だということは、幼いころから両親に教わっていたので当たり前のことだと思っていた。しかし社会で働く中で、それらは決して当たり前ではないことを知り、お道の教えのありがたさを再認識した」
現在、年間180日以上の研修をこなすほどの人気講師となった吉川さん。研修の際には、常に「陽気ぐらし」の教えを心に置き、自らも楽しむことを意識している。
「受講者の方に“陽気”が伝わり、一緒に楽しみながら学んでもらえればうれしい」
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吉川さんは研修の仕事に従事する傍ら、天理を盛り上げる活動にも積極的に取り組んでいる。
2020年4月には、コロナ禍により、教祖誕生祭への参拝を控えるよう教内へ促されたことを受けて、「お祝いの気持ちをお供えしよう」と教内の音楽家有志による「天理ドリームオーケストラ」を結成し、各自が演奏・撮影した動画を一つにまとめ、合奏動画としてお供えした。また同年夏には、「少年会員10万人のテレワーク大合奏」という企画を立ち上げるなど、時々の社会状況に合わせ、自発的に活動を繰り広げてきた。
現在は、9月23日から25日にかけて天理駅前広場コフフンなどで行われる「天理シティフェスタ」に向け、実行委員会の一員として準備を進めている。
今後の活動について、吉川さんは「どんな企業や組織においても、変化が著しい現代社会に対応するために、若者の価値観を生かしていくことは欠かせない。これからも若者たちが自らの可能性に気づき、生き生きと活躍できる場が増えていくような活動を展開していきたい」と語った。
下記URLから、吉川さんの過去記事をご覧いただけます。
https://doyusha.jp/jiho-plus/pdf/20220914_hyakka.pdf