時報歌壇(2025年11月26日号)- 植田珠實選
2025・11/26号を見る
【AI音声対象記事】
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さわやかな秋晴れのなか子ども等が毬のごとくに駆け抜けて行く
福山市 藤井光子
戦争に別れし少年少女らは一緒に令和を生き得し命
所沢市 岡田陽一
百年を迎えたり天理ラグビーホワイトジャージーここに誇れり
吹田市 楓 芳雄
ばあちゃん、と電話の声は女孫なり骨折いえば「エーじっとしときよ」
高槻市 石田たまの
カーテンを透かして見ゆる西空は焼けつく昼の光そのまま
八尾市 伏田和子
実りたるギリシャのいちじく貰いたり日焼けた笑顔の研究者から
天理市 少名子眞知子
九十歳で舞台に立てた喜びよ ふるさと祭り「細雪」なり
川崎市 木村道治
背中の児も手足バタバタ手伝いぬ葦原祭りの豚汁づくり
川越市 酒井笑子
野の花が幸せですかと聞いてくる「まあまあ」と言えばそれでいいと言う
宇佐市 三好秋美
床離れ遅き汝ゐて日日担う朝の御菜は塩を濃くする
秋田県 鎌田正男
夢に見し東京住まい嫁して早七十年の時は流れぬ
町田市 田林美智子
月次祭の雅楽の奏楽に蝉の声 見事なハーモニー醸し出す
福山市 藤井宣人
神殿を両手つないで歩きたる笑顔の孫は双子なりけり
貝塚市 守行富士子
お鏡にうかぶ在りし日のあの笑顔共に勤める記念祭を
松江市 上野和夫
譲渡せし車窓より見るわが生家 今朝も街まで買い出しに行く
熊野市 福山久美子
選者詠
吠えるこゑ聞くこともなく撃たれたり
積み込まれたる大き母熊
【評】
藤井さん
秋麗のなか、子供たちのいのちが弾んでいます。
岡田さん
戦後80年、いまある命に、平和に感謝しつつ。
楓さん
我らが天理ラグビーが、100年の節目を迎えました。なんと誇らしいことでしょう。
次回は、12月5日までの到着分から選歌。投稿は新年に関する短歌3首まで。お名前(ふりがな)、電話番号、住所を付記のうえ、下記までお送りください。
〒632‐8686
天理郵便局私書箱30号「時報歌壇」係
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