具体的な行動が説得力に – 視点
夜になればめっきり冷え込み、コンビニへ行けばレジ横のおでんの存在感が増す時季となった。コンビニでおでんを売り始めたのはセブンイレブンが最初だという。アメリカ発祥のコンビニエンスストアを日本で展開する際に、店頭におでんを置くのがいいと思いついたとか。粋なアイデアから始まった商品はたちまち看板商品になったが、他社もすぐに追随し、いまではコンビニのおでんはどこにでもある。
専門家の知人に聞いた話だが、この現象をマーケティング用語で「コモディティ化」と言うそうである。
コモディティ化は「一般化」ともいわれ、製品やサービスについて性能・品質・創造性・ブランド力などで大差がなくなり、顧客から見て「どの会社の製品やサービスも似たようなもの」に見える状況を意味する。インターネットの普及によって高度に情報共有が進んだ社会では、こうしたコモディティ化が激しく、企業は対抗策として付加価値を高める「ブランディング」に躍起だ。
この話を聞いて、宗教にもコモディティ化はあると感じた。本教ではあり得ないことだが、もともとその宗教や団体に無かった教理や考え方でも、良いものであれば取り入れてしまうのである。この傾向が進めば、教えが普遍的であればあるほど一般化され、いつしか誰が最初に説いたものかということなど、どうでもいいことになってしまう。将来、そんな状況になりはしないかと危惧している。
しかし、こうした時代にこそ大切にしなければならないのは、「何を説いているか」ということにも増して「何をしているか」ということだ。
本教には、その指針とすべき教祖のひながたの道がある。これからは、教祖のたすけ一条のひながたに基づく私たちの具体的な行動こそが、大きな説得力となり、ひいては唯一無二のお道のブランドイメージを高めることにつながると考える。
(諸井)