ひきこもりの妹を励ましたい – 人生相談
Q. 昨年、大学卒業を控えた妹が、就職予定先の旅行会社から、経営悪化を理由に内定を取り消されました。妹は部屋に引きこもるようになり、現在も無気力な状態が続いています。妹が前を向けるように、どんな声をかければいいでしょうか。(20代男性)
A. 心配ですね。妹さんにはなんとか前を向いて歩き出してもらいたいですね。
家庭の中に何か問題があれば、家族はその問題に直面している当人が良い状態へ戻るようにと願います。時には叱ったり励ましたりして、当人を変えようとします。
でも、そもそも問題の捉え方が違うのかもしれません。変わらなければならないのは、家族全員なのかもしれません。もし、そうであれば、妹さんは、知ってか知らずか問題を提起し続け、1年近くも頑張っていることになります。
このたびの新型コロナウイルス感染拡大に際して、きっと私たちには、いま立ち止まって考えなければならない、変えなければならない何かがあるのだと思います。
そこで、あなたの取るべき態度ですが、『稿本天理教教祖伝』に、教祖が惰け者の作男に「御苦労さん」と優しい言葉をかけて根気よく導かれたお話があります。それは、励ますでも叱るでもなく、かといって見捨てることもなく、ありのままを評価されたということかもしれません。心を見つめ、可能性を信じていてくださったからこそ、その作男も自ら気づいて、のちに人一倍の働き手となることができたのだと思います。
妹さんには、励ますよりも労いと感謝の気持ちを伝えられてはいかがでしょうか。
回答者 西村 和久 (一筋分教会長・「憩の家」事情部講師)