妻の明るさの”原点”を知る – 修養科の四季
第948期
ベンジャミン高橋ヨルゲンセンさん
23歳・名古屋市・名輝心分教会所属
ノルウェー人の私が天理教を知ったのは、昨年10月に結婚した妻との出会いがきっかけだった。ノルウェーの大学で知り合い、彼女の帰国後、私が日本の大学へ留学した。いつも前向きで、笑顔を絶やさない姿に惹かれていった。
二人の将来を考え始めたころ、彼女から「天理教を信仰している」と知らされた。聞いたことのない宗教で驚いたが、彼女の明るさの根底にある“原点”を知りたい思いのほうが強かった。その後、大学で学びながら彼女の実家でもある教会へ足を運び、教会の御用を手伝った。
婚約が決まり、彼女の両親から修養科を勧められた際、「教えを学べるチャンスだ」と英語クラスを志願した。
妹の身上からいんねんを思案
おぢばに来て、まず驚いたのは、お道の人の優しさだ。北欧人は内気で、人とは深く関わらない。一方、お道の人たちは皆温かく、困っていればすぐ手を差し伸べてくれる。
先生の説明は丁寧で、私の素朴な質問にも明快に答えてくださった。当初は疑問に思った「おつとめ」も、命の切り替えをする大切な祭儀であることを知った。そして何より、妻の根底には「陽気ぐらし」の教えがあって、それを実践していたのだと気づくことができた。
教理のイメージをつかみ始めた2カ月目の中ごろ。ノルウェーにいる妹が原因不明の病気で入院し、緊急手術を受けることになった。8,000キロ離れた母国で苦しむ妹を思い、授業で習ったようにお願いづとめを勤め、懸命にたすかりを祈った。
翌日、判明した病名を聞いて驚いた。半年前に私が罹った身上と同じだったのだ。その夜、思案を重ねる中で、ふと、授業で聞いた「いんねん」の教えを思い出した。「私や妹の身上を通じて、神様がメッセージを下さっているのでは」と感じた。「いんねんを自覚し、教えに沿って通ることで運命は切り替わっていくと教えられている。まずは、自分が神様の思いに沿う通り方をしよう」と、不思議と心が定まっていった。
それからは、日々の生活の中で、ご守護への感謝を味わえるようになり、「かしもの・かりもの」を意識しながらひのきしんに勤しむようになった。妻の信仰姿勢に、一歩近づけたように思った。
3カ月目、妹の身上が回復に向かっていると連絡を受けた。「神様は私の思いを受け取ってくださった」と、その存在を身をもって感じることができた。ノルウェー人は一般的にキリスト教の教会に所属しているが、参拝は、イベントの日にしか行かない人が多い。以前の私もそうであり、もし宗教について尋ねられたら「無宗教主義です」と答えていただろう。
しかし現在は、お導きによりこの素晴らしい教えを知ることができた。修養生活で得た学びや喜びを、ノルウェーの友人や知人にも伝えていきたいと思っている。
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修了後、大教会での伏せ込みを経て、教会に住み込みながら会社勤めをしている。そんななか、妻との間に子供を授かった。守るべき家族が増えて責任を感じるとともに、神様にお導きいただく大切さを、より一層実感する毎日だ。その思いに沿えるよう、家族3人、手を取り合って歩んでいきたい。