特別企画 “木の温もり”でお迎え – 営繕課 大工班 木工班
本部神殿をはじめとする神苑一帯では現在、帰参者の便宜を図るうえから、さまざまな整備が進められている。先ごろ、新型コロナウイルス感染拡大を防止する対策の一環として、木製の足踏み式消毒スタンドが神殿などに新たに設置された。また、殿内の各所に据え置かれたいすも、高齢者や身上者ら多くの参拝者に利用されている。これらを製作したのは、営繕部営繕課大工班および木工班の勤務者と天理高校第2部のひのきしん生たち。本部施設の木工事に携わる“縁の下の力持ち”の伏せ込みの日々を取材した。
木製の足踏み式消毒スタンドお目見え
木製の足踏み式消毒スタンドは、神殿各礼拝場の正面階段下など8カ所に設置された。直接スプレーに触れる手押し式よりも安全に消毒できることから、多くの帰参者に利用されている。
材料には、蛇谷山(奈良県御杖村)のスギの間伐材を使用。節目のない部分を選び、殿内の建材になじむよう着色するなど、“木の温もり”が感じられる工夫がなされている。
この木製スタンドは、営繕課大工班が作った。天理市永原町の永原倉庫内に事務所兼作業場を構える同班は、日ごろ本部住宅の修繕、管内施設の設備工事に従事しており、先ごろリニューアルオープンしたお茶所や豊田山舎の階段の改修なども手掛けた。
現在、勤務者およびひのきしん者5人と天理高第2部ひのきしん生7人の計12人が所属。勤務者・ひのきしん者のうち4人は、天理高第2部生として同班へ配属され、卒業後も勤務している。主任の長谷川剛さん(40歳・西六之宮分教会教人)も、その一人。木製スタンドは、長谷川さんの指示のもと、主に天理高第2部の生徒たちが手作りしたという。
長谷川さんは「2部生時代に、『おぢばと教会につながること』を信条とする“親方”の背中を夢中で追いかけた。憧れの人のつとめ方を私なりに若い世代へ伝えることが、おぢばでお育ていただいたことへの恩返しだと思っている。親元へ戻ったときに、進んで教会の御用に役立つ人材を一人でも多く育てていきたい」と話す。
利用者の目線に立って
一方、大工班に隣接して事務所と工場を構える同課木工班は、主に神殿、教祖殿、祖霊殿に関わる木工事や、八足などの神具を製作する。現在の班員は、勤務者・ひのきしん者7人と天理高第2部ひのきしん生7人の計14人。
殿内用の木製いすは、5年前に同班が製作。主任の松田博次さん(41歳・弘明理分教会教人)は、利用者の目線に立って工夫したという。
ベージュを基調とするオリジナルのいすは、座席部にスポンジを挟んで合成皮革で覆い、ほどよいクッション性を持たせた。年配の利用者を想定し、座面高は35センチと低めに設計。持ち運びがしやすいように軽量化も図った。
また、神殿基壇の下足場に設置された木製いすも同班が手掛けた。座席部分には防水性のある素材を使用し、いすの両側に、立ち上がりを補助する持ち手と杖置きを備えている。
松田さんは「班員が普段から意見交換をして、自主的に取り組むよう促している。勤務者と2部生が心をそろえて日々の御用につとめ、“真実のお供え”をさせていただこうと呼びかけている」と話した。
下記のURLから、営繕課大工班と木工班の作業などの様子を見ることができる
https://doyusha.jp/jiho-plus/redirect/redirect-237/