日帰り態勢で連日出動 – 災救隊島根教区隊
7月上旬、梅雨前線が停滞した影響で、豪雨の原因となる「線状降水帯」が発生し、各地で大雨による被害が続出した。静岡県熱海市では7月3日、大規模な土石流が発生。現在も警察や消防、自衛隊などが行方不明者の捜索を続けている。また山陰地方も、記録的な豪雨により局地的な被害に見舞われた。こうしたなか、天理教災害救援ひのきしん隊(=災救隊)島根教区隊(米原教昭隊長)は、7月16日から23日にかけて、島根県出雲市朝山地区などへ出動。河川の氾濫や土砂崩れによって汚泥が流入した民家11軒の復旧作業に尽力した。ここでは、島根教区隊の活動の様子をリポートする。
島根県東部では7月7日、一日の降水量が300ミリを超える記録的豪雨が発生。松江市や出雲市では、土砂崩れや河川の氾濫により床上・床下浸水などの被害が相次いだ。さらに12日にも局地的な豪雨が発生。県内の住家被害は、2市で全壊4棟、3市1町で半壊・一部破損186棟、床上・床下浸水468棟を数えた。
出雲市では13日、出雲市総合ボランティアセンターと同市社会福祉協議会、行政が共同で「出雲市災害ボランティアセンター」を設置。同市内の個人・団体にボランティア協力を呼びかけた。
こうしたなか、島根教区隊も要請を受けると、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、宿営地を設けずに日帰り態勢で出動することを決めた。
8日間で延べ120人
活動初日の16日午前8時半、島根教務支庁を出発した隊員たちは、災害ボランティアセンターに集合したのち、作業現場となる朝山地区へ向かった。
同地区は12日の豪雨により、各地で土砂崩れが起きたほか、一級河川の斐伊川水系の河川で越水が発生。民家数軒に汚泥が流入した。
隊員たちは民家の住人にあいさつした後、二手に分かれ、敷地内と床下に流入した汚泥の撤去と家財道具の搬出に従事した。
作業中の気温は30度。強い日差しが照りつけるなか、隊員たちは床下に堆積した土砂をスコップを使って土嚢に詰めていく。さらに、床下の骨組みに付着した泥をブラシできれいに取り除いた後、箒で地面を平らに整えた。
17日午前中には、同町の民家で、浸水した床下の断熱材撤去に従事。午後からは同地区見々久町へ移動し、床下浸水の被害に遭った民家で汚泥撤去に汗を流した。
米原隊長(60歳・昭根分教会長)は「ボランティアセンターとスムーズに連携が取れたことで、いち早く被災地に駆けつけることができた。今後も現場のニーズに応えつつ、被災した方々に安心してもらえるよう、こまやかな気配りを心がけたい」と話した。
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なお、島根教区隊は16日から23日までに延べ120人が出動。朝山地区などの民家11軒で汚泥撤去や家財道具の搬出、浸水した床下の断熱材撤去などに取り組んだ。搬出した土砂は土嚢2,000袋分に上った。
文=加見理一
写真=中野理弘
出動の様子は、下記からご覧いただけます。