おやのことば・おやのこころ(2021年8月1日号)
にち/\になんでもせかい一れつを
「おふでさき」十号81
いさめるもよふばかりするぞや
朝露に濡れた青いアサガオの花々が夜明けの風にそよいでいます。夏の風流を気取り、蕾が花開く光景をひと目見ようと、今朝はいつもより早起きしたのですが、アサガオの目覚めの早さにはかなわなかったようです。
この花を眺めていると、夏休みに毎朝、水やりをして、宿題の観察日記を付けた懐かしい思い出が蘇ります。何を書いたかまでは覚えていませんが、時間が経つと花の色が変わる特性を不思議に思いながら、楽しくスケッチした記憶が残っています。
青い花が紫色に、紫の花が桃色に……。その色彩の変化は、まるで手品を見ているようで、大人になったいまでも心が浮き立ちます。夏の暑苦しさを一瞬忘れさせてくれる風情豊かなひと時です。
「にち/\になんでもせかい一れつを いさめるもよふばかりするぞや」
猛暑が続いていますが、ひとたび自然に目を向ければ、心華やぐ光景に出合います。夕立の後に架かる虹は、眺めているだけで幸せな気分になりますし、道端に綺麗な花が咲いていれば、すぐ誰かに教えたくなります。この「神の懐」には、いつどんなときも、勇みの種があふれているとつくづく感じます。
夕暮れにアサガオを見ると、キュッと畳んだ傘のような蕾がいくつも付いていました。色鮮やかな花が咲くのが楽しみです。明日は日の出より早く起きて、あらためて明け方の風情を満喫したいと思います。
(お)