いま注目される「Z世代」- 視点
いまや世界中の企業が、人口のおよそ3分の1を占める「Z世代」(おおむね1995年から2010年の間に生まれた若者たち)に注目している。少子高齢化が進む日本では、この世代が占める割合はそれほど大きくない。しかし、団塊の世代が後期高齢者となる2025年には、「Y世代」(80年代序盤から90年代中盤の生まれ)と合わせて生産年齢人口(15歳から64歳)の半数を占めることになる。つまり近い将来、彼らが日本でも消費活動の主役となるのだ。
Z世代は、思春期からスマートフォンを持ち始めた「スマホ第一世代」でもある。ほぼすべてのSNSの利用率が中高年よりも圧倒的に高い。彼らが起点となって拡散される情報は、他の世代の消費行動に大きな影響を及ぼすこともある。そのため、従来とは異なるマーケティングが必要となり、Z世代のことはZ世代に任せるくらいに広告や広報の権限を与え、中高年が彼らと協働することが重要といわれる(原田曜平著『Z世代』)。
こうしたZ世代の中核をなす層は、お道における学生会員層に当たる。例年の「春の学生おぢばがえり」では、学生たち自身が企画立案したプログラムを、中高年の学生担当委員とねり合ったうえで実行に移す。
また「学生生徒修養会」のカウンセラーは、参加者と年齢が近い若者に任されている。それは、「若い者には若い者をもって、教祖の教えを伝えてもらうのが一番善い方法」だからである(中山善衞・三代真柱様「学生生徒修養会高校の部スタッフ研修会におけるお話」、昭和59年6月24日)。
今年も、両行事ともに中止を余儀なくされた。その代わりに「道の学生オンラインの集い」がネット配信され、大幅に人数制限し日程も短縮した「Joyous Style」が開催された。
形は変わっても、良き伝統を引き継いだ次代の人材育成は、ますます重要となる。そしてこの先、全教挙げての成人の一里塚である教祖150年祭と、本教の大きな節目となる立教200年には、多くの“Z世代ようぼく”を起点として、世界たすけの喜びが拡散されることを楽しみにしたい。
(三濱)