ひのきしんスクール – 家庭問題への理解深め
「ひのきしんスクール」(村田幸喜運営委員長)は8月26日午後、「現代の家庭問題への理解と寄り添い」をオンライン講座として開催、15人が受講した。
現代社会において、夫婦の不和、DV(ドメスティック・バイオレンス)、児童虐待など、家庭内の諸問題は増加傾向にある。さらにコロナ禍においては、外出自粛に伴う精神的なストレスによって、家庭内の諸問題が一層深刻化するケースも少なくない。内閣府男女共同参画局の調査では、2020年のDV相談件数は19万件に上り、これは前年の1.6倍の数字になる。
こうしたなか、同講座は、家庭内の諸問題に悩み苦しむ人に、どう寄り添っていけばよいのかを模索しながら、現代の家庭問題への理解を深めることを目的に開かれた。
“あいまいな喪失”を知る
当日、臨床心理士の早樫一男氏(彌榮分教会彌生布教所長)が「家族の絆について考える」をテーマに登壇。自身がカウンセラーとして当事者と接する中で見えてきた、現代の家庭問題への具体的な対応策について話した。
早樫氏はまず、家庭内の諸問題の具体例を挙げたうえで、家族の多様化が進む現在は、“家族の絆”について、あらためて考え直す必要があると強調。どちらかが一方的に働きかけるような関係ではなく、家族が互いにつくり上げていく相互関係に、家庭内を円満にするカギがあると述べた。
また、コロナ禍の影響による心身のストレスから、これまで表立っていなかった家庭関係の課題が顕在化していると指摘。「友人に会えないことや、気軽に外食できないことなどによる“あいまいな喪失”を知ることだけでも、ストレスフルだった心が楽になる」と話した。
この後、少年院篤志面接委員の泰川久子・丸太町分教会前会長夫人と、ひのきしんスクール運営委員の白熊繁一・中千住分教会長が、おたすけにまつわる体験を語った。
プログラムの最後には質疑応答の時間が持たれ、早樫、泰川、白熊の3氏がオンラインの受講者の質問に答えた。