報道番組で教友の里親活動紹介
障害のある里子と向き合う日々
長年にわたり里親を務めている白熊繁一さん(64歳・中千住分教会長・東京都板橋区)と治代さん(63歳)夫妻は、先ごろ日本テレビの報道番組「news every.」で取り上げられた。番組では、親元で暮らせない障害児が増えつつある現状と、その支援のあり方を特集。白熊さん夫妻が、障害のある里子と向き合う日々が映像で紹介された。
虐待や経済的理由など、さまざまな理由で実親と一緒に暮らすことができない子供は、現在、およそ45,000人に上るといわれる。そのうち39,000人が、児童養護施設などで集団生活を送っている。こうした境遇にある子供たちに、少しでも家庭的な雰囲気を味わわせようと、近年、子供を施設ではなく一般家庭で養育する「里親制度」の拡充が進められている。
こうしたなか、里子の4人に1人が何らかの障害を抱えており、その数はここ20年間で約3倍に増加していることが、先ごろ厚生労働省の調査で明らかとなった。養育中に初めて障害があることが分かり、接し方が分からずに戸惑う里親も少なくないという。
一人ひとりの特性を受けとめ
これまで数多くの里子を受託してきた白熊さん夫妻。現在、専門的なケアが必要な児童を養育する「専門里親」として活動している。
4歳のときに預かった文也君(仮名・10歳)は、自閉スペクトラム症やADHDなどの障害に加え、体幹が弱く、細かい手作業が苦手など、いくつかの身体的課題を抱えている。現在は特別支援学級に通いながら、月に一度、作業療法士による訓練を受けている。
白熊さんは「作業療法は、あくまでも補助的なもの。彼の成長には、共に暮らす私たちが日々寄り添いながら小さな成長に気づき、褒めてやることが最も大切」と語る。
番組では、自宅での生活とともに、さまざまな訓練を受ける文也君を見守り、優しく声をかける白熊さん夫妻の様子が放送された。
白熊さんは、テレビ取材について「里親と里子の関係は児童相談所の仲立ちによって結ばれるが、私は、親神様によって縁を結ばれた“教会家族”だと考えている。どんな里子であっても、一人ひとりの特性を受けとめたうえで、『教祖ならどうなさるだろう』と、教祖のお心を常に求めながら接するよう心がけている。われわれ家族の姿を見て、難渋を抱える子供たちに何かできることはないかと、前向きに考える人が増えてくれればうれしい」と話している。