天理時報2024年2月21日号8面
【日本は“戦闘機輸出国”になるのか – 手嶋龍一のグローバルアイ32】FSX・次期支援戦闘機の開発を巡って、日米両国は水面下で壮烈な戦いを繰り広げていた。”日米FSX戦争”である。米ソの冷戦が終焉を迎えた90年前後のことだ。三菱重工製のF1戦闘機の後継機も国産とするか、米国製を購入するのか。日米両国は一歩も譲らず対立を深めていた。米議会を巻き込んだ論争の果てに、米国機をベースに日米が最新鋭の装備を加えて「共同開発」することで決着した。難産の末に誕生したF2戦闘機も配備から4半世紀が経った。F2戦闘機の後継機は日・英・伊で共同開発することが決まった。米国が早々と計画から離脱してしまったからだ。岸田総理は次期戦闘機の第三国への輸出を目指し、「2月末に与党間の協議で結論を終えたい」と国会で曖昧な答弁に終始している。連立を組む公明党が次期戦闘機の輸出解禁に難色を示しているからだ。だが、この問題は与党内部の亀裂に留まらない。ニッポンがどんな国を目指すのか。その将来像が問われている。殺傷能力を持つ兵器を第三国に輸出しない。戦後の日本は、そんな国是を掲げて国際社会に独自の地位を築いてきた。日本はウクライナ戦争でゼレンスキー政権を支持しているが、殺傷能力のある武器は供与していない。それによってロシア、ウクライナ双方に停戦を呼びかけ、仲介役を果たす余地を残している。国際社会はそんなニッポンの調停力に期待している。新鋭戦闘機の研究・開発・製造に当たっては、膨大な予算と製造設備を必要とする。それゆえ、第三国への輸出を可能にして製造コストを軽減し、国内の防衛産業の育成を図りたい――これが経産省と防衛企業の言い分だ。だが、欧米と肩を並べる輸出競争力を備える戦闘機を本当に産み出せるのか、自信をもって答える関係者は見当たらない。日本は独自の名誉ある地位を追い求めるのか。防衛産業の地位を守りたいのか、われわれは選択の時を迎えている。, 【団体戦初の全国選抜へ – 天理高校囲碁将棋部】天理高校囲碁将棋部は昨年12月、大阪市の囲碁倶楽部「爛柯」で行われた「近畿高校囲碁選手権大会」に出場。女子団体戦で3位入賞し、「全国高校囲碁選抜大会」への初出場を決めた。同部は「伸び伸びと楽しく取り組むこと」をモットーに、部員の希望に応じて囲碁、将棋のいずれか一つを選び、それぞれが日々の研究と対局を重ねている。団体戦で主将を務める中森美幸さん(2年)は、小学3年生のころ、親に誘われ囲碁教室へ通うように。中学時代は碁盤から離れたが、天理高校へ進学後、「もう一度、碁石に触れたくて」と同部に入った。得意な定石は、序盤、周囲に石がない段階で相手の星(碁盤上9カ所の交点)に対して直接、三々(縦横第3線の交点)に打ち込んでいく「ダイレクト三々」。かつては全く想定されない戦術だったが、AI(人工知能)が考案したことで話題を呼び、棋士の間で広く採用されるようになった。中森さんは、囲碁の魅力を「相手の石を取って自分の陣地を広げたり、自分の作戦がうまくいったりしたときに喜びを感じ、熱中させられるところ」と話す。教本を片手に定石を覚え、実戦を繰り返してきたという中森さん。諸井克己部長(35歳)は「部には未経験者が多く、団体戦のメンバー3人も、なかなか揃わないが、中森さんがほかの部員に熱心に声をかけ、助言することで大会出場が叶った」と話す。昨年12月の近畿大会に奈良県代表として出場した同部は、初戦に敗れたものの、その後は3-0、2-1と白星を重ねて3位入賞。初の全国大会出場を決めた。また中森さんは、同大会の個人戦である「女子9路盤戦」に出場し、3位入賞した。中森さんは「全国大会に向けて新しい定石も覚えたので、残りの期間で、もっと使いこなせるようにしたい。全国大会は計4戦行われるので、3勝以上の勝ち星を挙げたい」と意気込みを語る。諸井部長は「出場するからには、できる限り上位を目指してほしいが、まずは全国大会での対局を楽しんで」と話す。全国選抜大会は、3月19日から東大阪市の大阪商業大学で行われる。