天理時報2023年12月13日号2面
【たすかりの源泉 – おやのことば・おやのこころ】しかときけよろつの事をみなをしへどこにへだてわさらにないぞや「おふでさき」四号53茶の花深まる秋とともに、一段と肌寒い日が増えています。例年よりひと月遅い青年会総会に参加し、後夜祭では汁物で暖を取りながら会場を回りました。ちょうどこの日、天理高校北寮時代の旧友が久しぶりに帰参するというので、都合のつくメンバーで集まりました。それぞれの立場で教えを求めながら歩もうとする姿に励まされるとともに、親里で共に過ごした10代の日々を思い出しました。「同じ釜の飯を食う」とよく言いますが、寮生活の中で、食堂に加えて印象に残っているのが大浴場です。隔てなく同じ湯船に浸かり、リラックスして交わす会話が時に大きな刺激になり、自分の目標を再確認する時間にもなっていました。もしかすると、親神様のお働きである火水風の絶妙なバランスで成り立つお風呂には、何かしら特別な効能があるのでしょうか。ところで、この季節は、気温や日照時間の変化とともに気分が落ち込む、いわゆる「冬季うつ」が生じることが知られています。春になれば自然と回復していくケースが多いことから、まずは意識的に日光を浴びるのが良いとされています。どことなく調子が出ないときは、年末年始にかこつけて昼間から露天風呂へ赴き、十全のご守護の有り難さをじっくりと味わうのはいかがでしょう。もちろん、たすかりの源泉であるおぢばにつながることが大切なのは、言うまでもありません。(大塚), 【日々の実践につなぐきっかけに – 「全教一斉ひのきしんデー」要項発表】立教187年「全教一斉ひのきしんデー」の実施要項が11月25日、布教部例会の席上で発表された。テーマは昨年に引き続き「成人の旬 一手一つにひのきしん――日々の実践につなげよう」。推進役を担う布教部(松村登美和部長)では、教祖140年祭活動の2年目にふさわしい「デー」となるよう、インターネット上の「教区・支部情報ねっと」を積極的に活用するなどして、一人でも多くのようぼく・信者に参加を呼びかけることを促している。立教187年「全教一斉ひのきしんデー」は例年同様、4月29日(祝)に国内外の各地で実施される。要項では「ひのきしんは、親神様のご守護に感謝申し上げ、日々の行いに表すご恩報じの実践」であるとして、「全教のようぼく信者が、日を定めて一斉に実動するのが全教一斉ひのきしんデー」と位置づけている。また、「諭達第四号」に示される通り、一人ひとりが日ごろからひのきしんを実践するきっかけにするとともに、年祭活動2年目にふさわしく、大勢が寄り集い、互いに勇ませ合うひのきしんデーとなるよう努めることを呼びかけている。さらに、それぞれの年祭活動に継続的に勇んで取り組めるよう、第1回「ようぼく一斉活動日」の参加者に「デー」への声かけを行う一方で、「デー」当日の参加者に対しては、来年6月に実施される第2回「ようぼく一斉活動日」への参加呼びかけを促している。「情報ねっと」積極活用を布教部では「デー」に向けて、「教区・支部情報ねっと」の積極活用を推進。参加者に会場の住所やひのきしん内容などの詳しい情報を届けるため、全支部からの投稿を目指している。なかでも、教区・支部に向けては、会場を設定する際には、天候悪化などを踏まえ、支部でしっかりとねり合うとともに、年に一度の動きに留まることなく、常時の地域活動への参加につながるよう働きかけることを申し合わせている。また、直属教会に対しては、年祭活動2年目にふさわしい「デー」となるよう教会長は率先して参加するとともに、「参加カード」と「情報ねっと」を活用して、所属する全ようぼく・信者に参加を促すよう呼びかけている。なお、「実施会場一覧」の基本情報は、3月中旬に「情報ねっと」に掲載される予定。会場の詳細については、支部ページに随時アップされる。, 【特集「お道の里親活動の歩み」-「人の子を預かって育てる」おたすけ連綿と】各地の教会では、おたすけの精神で里子たちを養育している全国の委託児童数の10% 770人を本教の里親が養育本教の児童福祉活動の原点には、教祖の「人の子を預かって育ててやる程の大きなたすけはない」とのお言葉がある。また、明治43年の天理教養徳院(現・天理養徳院)開設に当たり、中山眞之亮・初代真柱様は「人の子も我子もおなしこゝろもて おふしたててよこのみちの人」との歌を詠まれ、同院の使命と子供の育成に携わる者の心構えをお諭しになった。各地の教会では、日本国内の里親制度が整備される以前から、寄辺のない家族や子供たちを積極的に受け入れてきた。「おたすけ」という基本精神がある昭和23年に里親が制度化されて以降、全国的に里親の数は一時増加したが、その後は減少傾向が続いた。こうしたなか、教内の里親活動のさらなる充実を目指し、56年、宗教団体として初となる「天理教里親会」を発足(設立時の会員は341人)。58年、現在の名称へと改めた。以後、研修会や「里親サロン」の開催、機関誌『さとおや』の発行などを通じて、教内の里親の開拓と資質向上を図ってきた。天理時報では、平成19年から2年余り、計18回にわたって「シリーズルポ『里親の現場から』」を連載。各地の教会などで里子を預かる教友の姿を紹介したところ、大きな反響があった。22年、第56回「全国里親大会(奈良県大会)」が初めて親里で開催。同年、天理教養徳院の開設に始まる”お道の福祉活動”が100年の節目を迎えるなか、時報のシリーズルポをまとめた単行本『”たましいの家族”の物語』を道友社から刊行。併せて記念シンポジウムも開催された。シンポジウムに出席したノンフィクション・ライターの村田和木氏は、天理教の里親活動の特長について天理時報へ寄稿する中で、「『おたすけ』という基本精神がある」ことを指摘。さらに、里子が「信仰をもとに”心の拠り所”を学ぶ」ことなども挙げ、「もちろん強制はいけないが、信仰を通して、人としての生き方――たとえば、たすけ合いの大切さ、役に立つことの喜び、そして善悪の基準を学ぶのは大事なことだと、私は思う」と述べている。現在、同連盟の会員数は650世帯。29教区に里親会が結成され、全国の委託児童数の約10㌫に当たる770人の子供を養育している。また同連盟では、近年、お道の里親のための養育法を求める声が多いことから、TFA(天理教ファミリーコミュニケーションアプローチ)を考案。虐待を未然に防ぐ取り組みとして、教内外への普及を目指している。元里子の男性 教会長に就任お道の里親に育てられたことをきっかけに、自ら信仰を求め、教会長になった男性がいる。守屋元也さん(53歳・乙長分教会長・岡山県倉敷市)は15歳のとき、児童養護施設から赤澤時雄さん(故人・乙長分教会前会長)の元に預けられた。教会で暮らし始めて1年ほど経ったある日。事件を起こして警察のお世話になった守屋さんを、赤澤さんが身元引受人として迎えに行った。その際、赤澤さんは守屋さんを叱るどころか、教会に戻って神殿で深々と参拝すると、「お腹、空いたろう」と言って食事を出して労わり、いつも通り優しく接したという。このことをきっかけに、自然と「心が切り替わっていった」という守屋さん。以来、赤澤さん夫妻に苦労をかけないよう、少しずつ生活を改善していった。高校卒業後、就職した守屋さんは、25歳のころ、教会を離れて働いていた。しかし、八方塞がりの状況になり、赤澤さんに助けを求めたところ、修養科を勧められた。このとき、「お世話になった赤澤さん夫妻の思いに沿おう」と修養科を志願した。親里で修養生活を送る中で、「乾いた心に染み込むように教えを理解することができた」と振り返る守屋さん。お道の素晴らしさにあらためて気づき、修了後、自ら教会につながるようになった。その後、「布教の家」や上級教会の住み込み青年などを経て、21年前、赤澤さんの後を継ぎ、教会長の理のお許しを戴いた。自身が育ててもらった恩返しをしたいとの思いから、14年前に里親登録。これまで10人の子供の委託を受け、現在、3人の里子を養育している。また、岡山教区里親会会長に就くとともに、TFAの講師も務め、里親活動の推進に積極的に努めている。守屋さんは「昔の自分から想像もできないが、いま教会長として、里親として精いっぱいつとめている。教祖140年祭の旬に、一人でも多くの子供をたすけられるよう、周囲の教会長らに里親登録を呼びかけ、”たすけの渦”を起こしていきたい」と語った。◇梅原啓次・連盟委員長(70歳・大啓分教会前会長)は「歴代委員長や委員、会員の方々の並々ならぬご尽力があって、里親活動は今日まで続いてきた。社会のニーズに応えるこの取り組みは、おたすけの一つだと思う。教祖140年祭に向けて、さらに教祖にお喜びいただけるように力を尽くしていきたい」と話した。