天理時報2023年10月18日号6面
【イスラム圏の学生ら天理で学術交流 – 親里往来】マレーシア国民大学でイスラム研究学部に所属する学生13人と引率者5人が9月25日、来訪した。同大学は、マレーシアで最も権威ある大学の一つ。なかでも、マレーシアの国教の一つであるイスラム教の研究をテーマとする同学部は、これまでも日本を訪れ、日本各地の大学と交流を図ってきた。来訪の目的は、日本の宗教や文化について学ぶこと。同大学の職員がイスラム教以外の宗教を建学の精神としている日本の大学を探す中で、天理大学に興味を持ったことがきっかけ。その後、日本でイスラム教の布教や文化交流活動を展開するジャパンダアワセンターを通じて天理大学に連絡を取り、このたびの交流が実現した。当日、一行は天理大学宗教学科の学生約30人と共に「イスラームから現代世界を読み解く」と題した講義を受講。天理教学とイスラム思想を専門に研究している天理大学講師の澤井真氏(39歳・敷土分教会教人)が、それぞれの教えの特徴や違いについて、英語と日本語で説明した。続く質疑応答では、同学部の学生から「天理教にはクルアーンのような聖典はあるのか」など、数多くの質問が寄せられた。この後、一行は本部神殿で参拝し、海外部部員らによる神殿案内を受けた。さらに、天理大学で学生らによるプレゼンテーションと交流会が持たれた。◇来訪した学生の一人、ヌールアリーヤ・ビンティザイン(20歳)さんは「天理教の教えは、イスラム教の教えと共通する部分もあり、興味深かった。特に、他人と幸せを分かち合おうとする『陽気ぐらし』の教えに惹かれた。マレーシアの人にも、ぜひ一度おぢばを訪れるよう勧めたい」と話した。, 【地域の秋祭りに関わって – 道を楽しむ14】厳しかった残暑も過ぎ去り、季節は秋。いまや全国各地で秋祭りがたけなわであろう。地元・岩手県花巻市でも、400年の伝統を誇る「花巻まつり」が開催され、町内ごとに作られた12台の風流山車が市内を練り歩く。絵・内田ちよい私の住む町内でも例年、山車が参加している。祭りの前夜、期間中の安全運行を願う「安全運行祈願祭」を、15年前から私が祭主となって勤めている。もちろん天理教式で執り行うのだが、祭りに関わる町内の関係者など、年によっては100人近く集まる。親神様を拝し、一同そろって四拍手する姿を見ると、毎年のことながら感無量である。この地域は戦時中に大空襲に遭い、多くの命が失われ、駅前には慰霊の像が立っている。実は以前から、町内で自ら命を絶つ事例が目立っており、空襲との霊的な関わりを囁く声は少なくなかった。そして15年前、祭りの大きな役を担う方が、その準備期間中に自ら命を絶つという衝撃的な出来事が起きた。これに大きなショックを受けた住民たちが相談した結果、「なんとかしてほしい」と私に依頼が来た。霊様をお慰めできるかどうかはさておき、この地域をお守りいただくようにお願いする旨を説明して了承いただき、以来、私が祭りの前夜に、山車の安全運行とともに、地域の平穏無事を祈念することになった。このように地域から依頼があったのも、日ごろ町内行事に積極的に参加し、祭りでは準備から当日の山車の運行まで家族で協力した積み重ねによるものと実感している。やはり地域と密接なつながりを持つことは、いまの時代、身近な「にをいがけ・おたすけ」につないでゆく大切な姿勢ではないだろうか。教祖は「山の仙人」ではなく、「里の仙人」になるのや、と仰せられたという。里の仙人とは、社会の一員として暮らしながら、親神様の教えを進んで実践し、人々の手本となるような生き方を指すと教えられる。そんな里の仙人の姿に、少しでも近づきたいと念願している。ありがたいことに、ここ15年、自ら命を絶つ人はいない。中田祥浩 花巻分教会長, 【おやさまの温もり – 道友社】10月25日おやさと書店でトークショーも道友社は、先ごろ『おやさまの灯り』シリーズ第3作となる『おやさまの温もり』(文・白熊繁一、絵・おけむらはるえ)を刊行した。お道の教えをもとに、これまで専門里親や少年院の教誨師など、さまざまな立場で若者に寄り添ってきた著者の白熊氏(66歳・中千住分教会前会長・東京都板橋区)。2022年8月、同シリーズ第1作となる『おやさまの灯り』を刊行。2023年6月には、続編となる『続おやさまの灯り』を上梓した。このシリーズは、白熊氏が修養科一期講師を務めた際に修養科生へ贈った、「おやさまの灯り」と題する自作の詩が元になっている。これからの人生を前向きに歩んでいける温かいメッセージが随所に散りばめられており、“大人向けのミニ絵本”として好評を得ている。新作『おやさまの温もり』は、社会生活で心を倒しかけた主人公が、亡き祖母の教祖を慕う姿に思いを馳せ、自身も教祖に心をつなぐことで再起していく物語。そこに込めた思いは、親から子へ受け継がれていくお道の信仰は、元をたどれば教祖お一人に行きつくことにあるという。白熊氏は「私たちの信仰は、信仰の喜びや感謝の継承だと思っている。『おやさまの温もり』を通じて、先人がどのように教祖を慕ってきたのかを、次の世代へ伝えていただければうれしい。私自身も、作中の祖母のように教祖を求め、その温かさを若者に伝えていきたい」と話している。本書のお求めは、おやさと書店、またはWebストアまで。◇なお、10月25日午後4時から、おやさと書店店舗西側の休憩スペースで、白熊氏のトークショーを開催する予定。問い合わせは、おやさと書店まで。TEL=0743-63-2684『おやさまの温もり』文・白熊繁一、絵・おけむらはるえ定価330円(本体300円)148×148ミリ・中綴じ/12ページ・オールカラー